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即金で頂いた十万を携え上機嫌で帰路につく。
契約書には怪しいところはなかったし、大方技術顧問に困っていた状況と見ていいだろう。
フリーになって楽なことの方が増えたが収入が不安定なことは改善できなかった。たまに大きな仕事があっても次にどれくらい稼げるかの算段は立っていないためいつも節約生活だった。
これから定期的に収入が入ることも決定した為久々に外食しようと思い立ち、シンジュクの街をうろつくことにした。
酒を飲んでもいいが1人居酒屋は気がひける。
どこに行こうかと考えていると道に座り込むサラリーマンを見つけた。
道行く人は彼に見向きもせず歩いているがなんとなく放って置けなくて彼に近づいていく。
「…あの、」
？「う………も、むりで……」
酒の匂いが鼻をついた。どうやら泥酔しているようだった。すぐ近くにあった自販機で水を買い、キャップを開けて手渡す。
「お水です、飲んでください。…タクシー呼びましょうか？？」
かろうじて水のボトルは受け取ってくれたが顔もあげずに相変わらずブツブツと言っている。
すぐにタクシーを呼び出し、男の前にかがんだ。
「大丈夫ですか？お水は飲んでください。」
肩をポンポンと叩くと少しだけ男が顔を上げた。
？「あ、…、すみませ……、」
「お水、あげますから。どうぞ。」
手元のボトルを見て男がぐいっと水を飲んだ。
？「あぁ………ありがとう、ございます……。」
「タクシー呼びましたから帰れますよ。住所言えま………ちょ、ちょっと。」
タクシー呼び出しアプリから顔を上げると男はスースーと寝息を立て始めていた。
肩を揺すって起こそうとしても全く起きない。
だめだこれはと思いため息をつくとちょうどタクシーがやってきた。
「すみません、この方を乗せるの手伝ってください。」
ドライバー「あぁ、はい、かしこまりました。」
ドライバーもこのようなことに慣れているのかすんなりと肩を貸してくれた。
なんとかタクシーに乗せ終わり、仕方がないので自身も乗り込む。
ドライバー「お連れさん、大丈夫ですか…？」
「え、えぇ…。えっとこの住所に向かってください。」
男のバッグから財布を取り出し、保険証を見つけ出した。
緊急事態とはいえ人の保険証を漁るのは気が引けたが仕方ない。ドライバーにその住所を伝えるとすぐに発進してくれた。
時計は10時をまわり、シンジュク街並みが眩しいくらいに輝きだした。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (
レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オーキッド
| 作成日時：2018年12月2日 23時
