track43 ページ45
ホストが職業なのに女性恐怖症とは難儀な人生だ。
独歩になぜホストなのかの理由を尋ねたが、女性恐怖症を克服するためとわかったときは思わずぽかんと口が開いてしまった。
「そ、それは……勇気のいる選択ですね。私ならとても出来ません。尊敬します、伊奘冉さん。」
一二三「…っ、」
女性に慣れさせるためと、この会の目的がわかったので話しかけてみるが彼はかわいそうなくらい怯えてしまっていた。
「あ…ごめんなさい…。観音坂さん、今日は彼と初対面ですしあまり話しかけないほうがいいのかしら…?」
独歩「そ、そうだな…先生はどう思われますか?」
寂雷「彼への負担も考えると今日は無理に話さなくてもいいかもしれないね。
あまり一二三君のことを意識しすぎると彼も余計緊張してしまうから、今日のところはみんなで世間話でもしながら食事をしよう。
宝生さんは何か食べたいものはあるかな?先程とりあえず豆乳鍋とお刺身の盛り合わせ、それと和風サラダを頼んでおいたよ。」
「お鍋いいですね、ちょっと冷えてしまっていたので嬉しいです。足りなかったらまた頼みましょう。」
寂雷「そうだね。お気に召したようで良かった。独歩君も好きなのを頼むといい。」
程なくして料理がいくつか運ばれてきた。
鍋のふたを開けると美味しそうな魚介の香りがふわりと漂う。
寂雷「そういえば宝生さんはお仕事は何を?」
「不安定な職で恥ずかしいのですが…フリーのエンジニアをしております。」
寂雷「エンジニア?それはどういうことをするんだい?」
「えぇっと……ご依頼主様のパソコンがウイルスに感染しないようにしたり、もし感染していたらその対処をしたり…ですね。」
寂雷「なるほど、機械のお医者さんのようなものだね。」
「えぇ、そのようなものです。」
可愛らしい表現にふと頬が緩む。
落ち着いたこの男性もラップをするというのだから世の中見かけによらない。
人当たりがよく好青年な一郎、誰もが道を譲り怖れる左馬刻、可愛らしく愛嬌のある乱数、そして物腰が柔らかで堅実そうな寂雷。
この4人がチームを組んでいたが解散した、という理由も、彼ら自身と話して少しわかった気がした。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オーキッド | 作成日時:2018年12月2日 23時