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左馬刻「おい女。この間の報酬はいらねえのか?」
「あ………い、いただきます……。」
今日の左馬刻はなんだか機嫌が悪いようだ。前回理鶯の料理を押し付けたことを根に持っているのだろう。
理鶯「A、左馬刻、これから暇か?」
左馬刻「……まぁ今日はこのあと何もねえが……。」
「えぇ。今日は元々オフだったので…。どうしてですか?」
理鶯「休みの日に呼び出してしまったのか…それは済まないことをした。いやなに、これから食事でもと思ってな。」
「しょ、食事ですか…。構いませんが…えっと、その…爬虫類とか…ですか?」
先日のお弁当が脳内にはっきりと蘇る。
同時に背中に鳥肌がたった。左馬刻も同じことを想像したらしく目線がかち合った。
理鶯「いいや、今日はせっかくここまで来たので外食にしようと思っていたのだが………、食材もちょうど切らしている、申し訳ないが小官の料理は振る舞えない。」
「そ、そうでしたか……。外食で構いません、ご一緒させていただきます。」
片付けをしながら内心ホッとする。
理鶯「片付けが済んだら行こう。それでいいか、左馬刻?」
左馬刻「…あぁ、いいぜ。おい、終わったら外でろ。」
「はい、わかりました。」
理鶯と左馬刻がその場を後にする。
急いでパソコンを片付け、すれ違う黒服の男たちにお邪魔しましたと告げながら桐の門をくぐった。
すぐ目の前には立派な外車が止まっており、左馬刻が乗れと促した。
「お邪魔します…。」
左馬刻「…んで?どこ行くんだ理鶯。」
理鶯「あまり決めていなかったな……。A、何か食べたいものはないか。」
「そうですね…。イタリアンはどうでしょう。」
理鶯「イタリアンか…久しく食べてないな。左馬刻はそれでいいか。」
左馬刻「あぁ。」
理鶯「ふむ、せっかくだ、銃兎にも連絡しよう。」
左馬刻が店の名前を言いつけるとすぐに運転手の黒服の男がハンドルを動かした。
あの読めない男も来るのかと思うと少し気が重い。
Aはふかふかの椅子に身体を預け、流れ行く街の景色をぼんやりと眺めた。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オーキッド | 作成日時:2018年12月2日 23時