track19 ページ20
銃兎の笑みに背中がぞくりと震える。
人間には喰う者、喰われる者の二種類がある。多くの人はどちらにでもなりうる。喰うか喰われるかは状況によるからだ。
だが間違いなくこの男は、喰う側の人間だ。喰うことに楽しみを見出してしまった、邪悪な笑みだった。
「……まさか黙っててやるからいいように利用させろということではありま
銃兎「その通りです！さすが頭の良い方は違いますね。」
銃兎がニコニコしたまま満足そうに頷く。
「し、しかし碧棺様の契約がありますので………。」
左馬刻「安心しろや、こいつの依頼は俺にも利益になる。契約書にもこいつの命令は聞けって書いてあったろうが。」
左馬刻が鼻で笑って契約書のコピーを机に叩きつけた。
「は……？そんなものどこにも…。」
トントンと左馬刻が指で示したところには、『・雇用者の指定する者からの依頼も引き受けること』と書かれていた。
左馬刻「俺が指定する、入間銃兎の依頼も引き受けろ。」
「………汚職の片棒でも担がせるおつもりですか。」
銃兎「そんなもの貴女にとっても造作もないでしょう？
先日は中王区きっての保険企業のデータベースにも侵入してましたねぇ。悪いことをするのには慣れているようですし是非色々とお手伝い願いたい。
もちろん報酬は払いますよ。」
「…こんな人が警察だなんてこの国も終わりね。
わかりましたよ。やればいいんでしょう。」
犯罪まがいのことをしている自覚はあった。しかしそれは私なりの理由があってやっていたことだった。
そもそもヤクザなどと契約したのが間違いだったのだ。フリーの身であるがゆえに報酬に目が眩んだ自分が一番悪いのだが。
「…嵌めたのですね、碧棺様。」
左馬刻「あ？その台詞はそこの汚職ウサポリ公に言えや。」
銃兎「…テメェも共謀しただろうが。大体突飛なことばっかりしやがって…だからお前は単細胞でめんどくせぇ奴なんだ。」
左馬刻「……やんのかテメェ。」
銃兎の声音がガラリと変わったがああこれが本性なのだなと妙に納得する。
2人が険悪に睨み合う中理鶯がパッと顔を明るくした。
理鶯「2人とも喧嘩を始めたということは腹が減ったのだな。実は今日は特製の弁当を作ってきたのだ。皆で食べよう。A、貴様も食べると良い、ちょうど昼時だ。」
風呂敷包みを広げながら言う彼に2人の男は顔を引きつらせた。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (
レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オーキッド
| 作成日時：2018年12月2日 23時
