【あんスタ】死にたがりヒーロー

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「修学旅行、楽しみだね！！」




スバルくんがニコニコと話しかけてきます。笑顔が眩しいです。

つい先程、1週間後に控えた修学旅行の予定について話していたので教室の雰囲気も心なしふわふわしているように思います。

僕達の学校は3年生は忙しいので、2年の頃に修学旅行があるのです。





『はい、すごく楽しみです！ 大阪、でしたっけ』





今回の修学旅行先は大阪です。みかちゃんは大阪弁ですが、大阪で生まれたのでしょうか。それなら、名所を聞いてみるのもいいかもしれませんね。


なんだか1週間後に思いを馳せると、とても楽しみな気持ちになります。少し頬も緩みます。
家に帰ったら早速準備をしなければ。









･









たこ焼き、お好み焼き、ビリケン様、通天閣……。

家に帰ってもそんな事を考えます。考えている時間はそれなりに楽しいので、やめる気はありません。







………あれ。なんだか違和感を感じます。


しばらく考えてみると、すぐに分かりました。最近、「死ぬ」ということについて考えていないのです。これはいい傾向なのでしょうか。




小太郎が静かに擦り寄ってきます。

………これは。良くない傾向、です。僕の存在意義が無くなってしまいます。




あれ、僕は存在意義が無いから死にたいのでしょうか。



それとも死にたいから、存在意義があるのでしょうか。









僕は、何によって生かされているのでしょうか。







なんだか哲学のようになってしまいました。難しいです。


そんな事をぼんやりと考えながら、旅行カバンに荷物を詰めていきます。

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