私が今の私になった理由(回想終了) ページ45
Aside
おじい様は何本もの管に繋がれていて、苦しそうに息をしていた
当然、意識はない
『おじい様っ！！』
私がおじい様の元に駆け寄ろうとするのを、主治医の先生が止める
先生「Aさんっ…！」
『どうして止めるんですか！？どう見たって重体じゃないですか！三日前はあんなに元気そうにしてたのに…』
先生「…橘さんは、入院された当時から、状態は最悪だったんです」
『えっ？…どういうことですか？』
心電図モニターの音が病室に響く
先生「…過酷な労働と睡眠不足、栄養不足が長期に渡り、体調も優れず…入院時の検査で、…末期ガンが見つかっていました」
『ガン…？なんで…私、そんなの…聞いてない…』
先生「橘さんから、Aさんには言わないよう言われていました。心配させたくないって。どうせすぐ死ぬ身だから、と」
『だからって教えてくれなかったんですか！？』
ピッ ピッ ピッ
先生「現在の科学技術では、橘さんを救うことは出来ません…」
『嘘！嘘です！おじい様は大丈夫だって、死なないって、元気だよって言いました！』
先生「それこそ嘘です！重体だったから、面会時間が決められていたんです！」
『…っ！』
先生「…恐らく、もうすぐ…」
『そんな…そんな…っ！おじい様…！』
雪枝「Aっ！」
『姉様…！』
雪枝「おじい様…死んじゃうんですか…？」
先生は黙って頷いた
姉様は膝から崩れ落ちる私の両肩に手を置いた
雪枝「…父さんたちね、仕事で来られないって」
『…は？おじい様が死にそうだっていうのに？』
雪枝「…お前達で看取れって…」
『…なんて…非情なの…』
ピッ ピッ ピッ
私は…今までそんな人達に育てられてきたの…？…ムカムカする…
おじい様は…あんな…笑顔を貼り付けた化物みたいな人の仕事を手伝って、過労で倒れて、死にそうなの？
私は今まであの人達に騙されてたの？
雪枝「A…」
その時、静かな病室に、うめき声が響いた
祖父のものだ
祖父「うぅ…」
『おじい様！』
祖父「おお…Aに雪枝…来てくれたのか…」
『無理して話さないでおじい様…』
祖父「いいや…最期なんだ…話させてくれ…」
雪枝「最期だなんて…」
祖父「雪枝…A…今まで…」
おじい様は右手を頑張って上げた
私はその手を掴もうと手を伸ばした
祖父「あり…が…」
ピーーーーッ
おじい様の手は、私が掴む前にだらりと落ちてしまった
心電図モニターの音が、頭からなかなか離れなかった
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます！これからも頑張って更新していきます！ (3月23日 12時) (
レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です！続きがとても楽しみです！ (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます！楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます！ (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンリン | 作成日時：2017年4月3日 18時
