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極パニック6 ページ37

Aside

大倶利伽羅のいる方向へ、私は走った
1人を好み、必要以上の馴れ合いを嫌う彼が、手紙を寄越した
とても辛い状況にいるに違いない
もし、彼が折れていたりなんてしたら…
私は、何をしでかすかわからない

森に入り、しばらく走った後、微かに血の匂いを嗅いだ

『血の匂い…まさか、彼の?』

辺りを見渡すと、少し開けた所に血溜まりがあった
そこから、点々と血の跡が続いていて、それは洞窟まで続いていた

私はその洞窟の入口に近寄った

『…大倶利伽羅?ここにいるのですか?』

私の声がくわんくわんと木霊して響いた
1歩中に入ってきょろきょろすると、入口の影になっているところに、見覚えのある黒と赤が目に入った
それは、彼の、大倶利伽羅の上着だった

『大倶利伽羅…!』

大倶利伽羅side

大倶利「はあっ、はあっ、はあっ…」

体が冷えてきた
血を流しすぎたのかもしれない
いや、逃げる途中で上着を脱ぎ捨てて来たから、ただ寒いだけかもしれない
…検非違使に追われ、逃げてきて洞窟に隠れたのは良いが、如何せん動けない
やはり傷を負いすぎたか

…手紙は、届いただろうか
もう手紙を出してから2日経つ
そろそろ食料も尽きる
…俺は死ぬのか
まあいい
俺が折れたとしても、また新しい大倶利伽羅が顕現されるだろう
それでいい
それで…

──大倶利伽羅…

…なぜ、ここであいつの顔が浮かぶんだ
あいつだって、俺みたいな面倒臭い刀は嫌だろう
…やはり手紙なんか出すんじゃなかっ…

『大倶利伽羅ー!』
大倶利「…は?」

洞窟に、あいつの声らしき声が響いた
同時に足音も近づいて来る
まさか、来たのか?

大倶利「っ…!」

叫びたいが、声が出ない
どんどん足音が近づいて来る

『大倶利伽羅!何処にいるのですか!』

このまま、あいつが俺に気づかず通り過ぎたらどうしようか…
このまま朽ちるのは、少し、寂しいな
…いつの間に、俺にこんな人間みたいな情が生まれたのか
思わず口角が上がる

『大倶利伽羅っ!』
大倶利「…!」

…あいつが、主が、息を切らして俺を見ていた
目を見てやると、心底安心したように笑った

『生きて…いたのですね…』
大倶利「どうして…来たんだ…?」
『貴方が手紙を寄越したのでしょう?』
大倶利「手紙届いてたのか。…いや、そうじゃなくて、俺なんかいなくても、あんたは困らないだろう?」
『なんてこと言うんです。困りますよ!それに、いなかったら嫌です!』
大倶利「なぜ、」
『なぜって』

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設定タグ:刀剣乱舞 , 一期一振 , とうらぶ   
作品ジャンル:恋愛
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます!これからも頑張って更新していきます! (3月23日 12時) (レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です!続きがとても楽しみです! (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます!楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます! (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンリン | 作成日時:2017年4月3日 18時

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