38話 ページ40
A「報告は以上です」
私の目の前に大将黄猿と藤虎
2人はいつもと変わらぬ表情で椅子に腰掛けていた
黄猿「なるほどぉ…それで船に乗せられて帰ってきたわけねぇ…」
A「申し訳ございません」
黄猿「君は優秀だから今までこんなこと無かったからねぇ…想定外だったよ」
藤虎は何も話さぬまま、黙りこくっていた
A「潜入という重大な任務を任されたにも関わらず、敵に素性を知られる上、情けをかけられるなど言語道断
正義を背負う海軍としてこのような失態をしたこと、腹を切ってでも償います」
私は腰にかけていた刀を置き、片膝を地面につく
肩にかけた正義の印を地面に付けた
黄猿「確かに君は優秀だったけど顔がバレたなら仕方がないねぇ…
その命を持って償ってもらいましょう」
A「命とあらば」
私は頭を下げた
黄猿はその場から立ち上がる
呆気ない
なんて、呆気ないんだ
大将の刀が引き抜かれる音が耳から伝わり
脳に鳴り響く
悪を切り裂く閃光、その刃が私を切り裂こうと振り上げられた
藤虎「まってくだせぇ」
藤虎の声により、彼の行為は止められる
藤虎「そんな若いもんに剣むけるなんざぁ…上司として恥ずかしいもんでしょうよ。
部下の失敗の一つくらい、カバーするのがあっしらの役目じゃないんですかい？」
藤虎はその場から動かないまま、口だけを動かしてそういった
黄猿「そうはいうけどねぇ…中将の任務は他とは違うんだよォ？バレたら困ることだってあるんじゃないかい？」
黄猿は刀を1度引き、藤虎と話し始める
藤虎「この娘もあと3年以内には海兵じゃ無くなるんでしょう？ならいいんじゃごさいやせんか？
まだ使える人材は取っておきたいもんでしょう」
藤虎は少しだけかを上げて黄猿の方を向いた
黄猿はいつもと変わらぬ表情ではあるが少しだけ眉をひそめた
黄猿「…まぁ、そうだね。一年以内にはいなくなる可能性もあるしねぇ…使えるまで取ってこうとしようかねぇ」
黄猿はそう言って刀をしまう
ツンととがった彼の靴が方向を変えて動き出す
柔らかいカーペットを踏み締めて歩く彼の足元が見えた
黄猿「今回は見逃してあげるよ」
「バタン」
黄猿はそう言って部屋から立ち去った
その光景を後目に私は息を漏らした
今更になって額には汗が滲み始めた
死の恐怖というものを今実感し始めたのだ
藤虎「命を無駄にしてはいけやせんよ」
藤虎はそうとだけ言って私の隣を通り過ぎていく
久々に死を目前にした
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - †NANA†さん» 訂正ありがとうございます。後ほど修正させていただきます (2019年10月29日 22時) (
レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - 「ルフィ」であって「ルフィー」ではありません。 (2019年10月29日 22時) (レス) id: 9d78a5537a (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ばりおさん» 応援のお言葉ありがとうございます！まだまだ続きますのでよろしくお願いします！すっごく嬉しいです。お付き合い願います！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ばりお - これからどうなるか気になります！更新頑張ってください(*´∀`)♪応援してます♪ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ToaRin | 作成日時：2019年8月23日 20時
