13話 ページ15
たしぎ「A中将」
A「はい？」
たしぎ「リボン、取れかかってますよ」
たしぎさんは私の髪を指さしてそういった
私は高い位置で結ばれたポニーテールを解く
たしぎ「結びましょうか？」
A「え、いや…」
たしぎ「遠慮しないでください！さ、座って！」
たしぎさんは私の背中をグイグイ押すと、近くの椅子に座らせた
たしぎさんは、世話焼きだ。前にそれを言ったら、同性の部下がなかなかいかなかったせいだと彼女は言っていた
たしぎ「いつも思っていたんですけど、このリボンかわいいですよね」
A「ありがとうございます」
たしぎ「私と会った時もずっと付けてましたよね？大切なものなんですか？」
私はその質問に少し間を置いてから答えた
A「…このリボンレース、私が編んだんです」
たしぎ「自分で？！すごいですね…」
A「それで、この赤い布にレースを縫って…大切な人にあげたんです」
たしぎ「ペアルックとかですか？」
A「いいえ
もう死にました。彼女が海賊に殺される直前に私に渡したんです」
たしぎ「え…」
私が8歳のときだ
燃え盛る火の中で彼女はこのリボンを私に渡した
『生きて会えたら、これを私に返して。だから、死んじゃダメだよ』
そう言い残して
結局、私は生き残ったけど彼女は死んでしまった
たしぎ「すいません…」
A「気にしないでください。こんなのよくある話です。
海賊に大切な人を殺されて海軍になる人なんて山ほどいますから」
たしぎ「……」
彼女は慣れた手つきでリボンを結び終えた
私は鏡でそれを確認する
A「上手ですね」
たしぎ「…だから、そんなに強いんですか」
たしぎさんは苦しそうにそう言った
そんな彼女に私はいつもの調子で言葉を返した
A「いいえ、恨みは人を強くするけど…これじゃ足りません
もっと呪わなきゃ、私は強くなれなかった
呪って、呪って、呪い続けて…この世で1番嫌いな海賊の仲間に加わって笑顔を見せて最後に殺す
そうでもしなきゃ、気が晴れなかった。人の大切なものを奪っておいて笑っていられる人達を裏切って
泣いて詫びて叫んだアイツら殺す…それを見て初めて強くなれるんです
海賊にも家族はいる。仲間も親友もきっと
私はそいつらを斬って、同じことをするんです
そういうことをして強くなったんですよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - †NANA†さん» 訂正ありがとうございます。後ほど修正させていただきます (2019年10月29日 22時) (
レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - 「ルフィ」であって「ルフィー」ではありません。 (2019年10月29日 22時) (レス) id: 9d78a5537a (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ばりおさん» 応援のお言葉ありがとうございます！まだまだ続きますのでよろしくお願いします！すっごく嬉しいです。お付き合い願います！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ばりお - これからどうなるか気になります！更新頑張ってください(*´∀`)♪応援してます♪ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ToaRin | 作成日時：2019年8月23日 20時
