【テニプリ】レズで何が悪い！！4【立海】

169話 ページ30

メアリ先輩との出来事があって、さんざん悩んで


やっとここまで来た



幸村先輩とあの後別れて、私はテニスコートに戻ろうとしていた



今まで、自分で自分の首をずっと締めてきた


ずっと緊張状態だったからか、今になって物凄い疲れがやってきた



無意識だった。ずっと、我慢していたんだと自覚させられた



そして、やっと気が休まったんだ



これで、私を苦しめる私はいなくなった



全身の力が抜けていく



嬉しいのか、悲しいのかわからない



そこで私は初めて頬に伝うものに気がついた


私は、泣いていた


それを手で拭った。手には水滴がついていた


何故涙が出てくるのか分からない。でも、何故か溢れてくる



「あ、四月一日ちゃん！」



私が訳の分からない涙を拭いていると、前方から高めの声が聞こえてきた



A「菊丸先輩…」


菊丸「こんなところでなにしてるのー？」



私は急いで涙を引っこめる。こんなところ見せられない


菊丸先輩はご機嫌そうにこちらに駆け寄ってきた



A「ちょっと…用事があっただけで…」



そう取り繕って言ったが、原因不明の涙は空気も読まず私の目からこぼれ落ちた



A「あ…」


菊丸「えっ？！」



菊丸先輩は明らかに動揺していた


私の涙を見るとワタワタとし始める



A「ごめんなさい…なんでもないんです。」



そうはいっても、涙は止まることを知らない



菊丸「うっ…」



菊丸先輩は動揺と焦りの末、顔を一瞬顰めた後



A「んぶっ…」



自分のジャージの袖で私の目をゴシゴシと拭き始めた


菊丸「あ、あんまり泣いたら腫れちゃうにゃ！」


A「は、はい…」


菊丸「とまれ〜とまれ〜！」



眉を下げながら私の目をめっちゃゴシゴシする菊丸先輩



A「せ、先輩？そんな擦ると、逆に腫れちゃうと思うんですけど…」


菊丸「た、確かに！」



ぱっと手を離す菊丸先輩



菊丸「う〜…ごめん…」


A「大丈夫ですよ。でも、ほら…涙、止まりました」



私は自分の目を指さす。菊丸先輩はそれを見るとパァッと顔が明るくなった



菊丸「よかったにゃ〜！」



猫みたいだなぁ…いいひとでよかった…



A「…菊丸先輩でよかったです」


菊丸「え？なにが？」


A「なんでもありません」


菊丸「えー、きになる！」

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