【残雪の残夢 弐】 ページ21
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風が一陣吹き過ぎて、止まる。代わりに心臓の音が耳元で響く。
「...っ」
目の前に現れた少女を凝視してしまう。
僕の記憶の中に鮮明に姿を残す少女をもう一度一目見たいと願って、でも冬夜さん達と再会した時、対面を果たすことは出来なかった。
彼女はもう、死んでしまっていたから。
でも今目の前に、その少女がいる。
陶磁器のような肌も、紫水晶の瞳も、真雪のような白い髪も。
やっぱり、あいつに＿
「...一つ、聞いてもいいですか？」
「えっ、あ...はい」
じっと見入っていると突然話しかけられて、思わず上ずった声が出る。少女は訝しげに眉を顰めながら口を開いた。
「貴方...人間ですか？」
「えっ」
第一に、バレたと思った。仮にも付喪神として神の末席に属している存在だということが。
でも、何で...
「空から降ってきたので」
「ああ、空から」
そうか、空から降ってきたなら仕方な...
「空から!!?」
「空から」
飲み込みかけた事実を吐き出し目を剥く僕に、少女は大真面目に頷く。
「いや、ちょっと...」
五感がある、姿も思いっきり認識されてる、おまけに登場は空からときた。
主さん、説明と違いすぎる...！お陰で僕今、僕史上最大に変人扱いされてる...！
「えっ...と、に、人間です」
「...」
「旅人なんです。でも寝てる間に身包み剥がされてこう...ぽーんと投げられて...」
嘘吐くの下手くそか!!
酔ってる時の兼さんだってもっとマシな嘘吐くって!!(失礼)
ああもうほら...凄いシラケた目で見られてるよ僕いつももう少し機転効くでしょどうしたんだよ...！
「...それ」
「え」
「それ本当ですか」
「えっと、」
「私の目を見て答えてください」
じぃっと紫水晶の瞳が僕を貫く。心の奥底まで覗き込むような、それ程真っ直ぐな視線だった。
「...僕、は」
僕は。
「...君に危害を加える気は、少しもないよ。君だけじゃなくて、君が大切に想う人達にも」
「...」
だって僕は＿＿
「...ふっ、分かりました」
「！」
沈黙が続いたあと、ふと目の前の少女がその表情を崩しながらそう言った。
「信じます」
「あ、ありがとうございます...？」
「名前聞いてもいいですか？」
突如そう聞かれて思わず口篭る。
名前は...
「...国広、です」
「私は扇寺雪です。同い年かな？
＿よろしくね、国広くん」
扇寺雪。間違いなくそう名乗ったその少女＿雪さんは、Aにそっくりな顔で笑った。
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不透明どろっぷ。(プロフ) - 前回のやつと今回で涙腺が緩んで戻らなくなってしまいました(号泣) とても凝った話ですね！ (2021年3月1日 22時) (
レス) id: a7e7752e52 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - 狩歌さん» やったぁぁ!!楽しみにしてますねっっ!! (2019年4月21日 20時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - ニャンコソバ２さん» ニャンコソバさんこんにちは！ありがとうございます〜！楽しんでいただけたなら幸いです(*´∀｀*)リクエスト了解しました！リア充させますよ〜！ (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - しおねーさん» ありがとうございます！もうしばしお待ちください〜 (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - お、お疲れさまでした…(?)貯めに貯めて、一気に読みましたところ、涙腺が見事に崩壊しました。笑堀川くんとリア充するやつ見てみたいです( (2019年4月21日 8時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2019年2月18日 19時
