会いたい ページ44
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私が待ち望んでいた"終わり"は、なるほど、こんな感じなのか。
炎のど真ん中っていうのが気に食わないけど、まあ戦士として戦ってきた身としては、独り死んでいくとはかっこいいじゃないか。
なんて、そうやってろくに回りもしない頭でそんなことを考える。
「...」
ああでも、やっと死ぬことが出来るにしてもやり残したことは結構あるかもしれない。
こんちゃんのあのハイテクな鈴解体してないし、短刀達との鬼ごっこもまだ全員捕まえてない。燭台切と小豆に作ってもらうって約束したマカロンとやらも食べてないな。加州と買い物に行く約束もしてたっけ。
あと、
『A』
あいつとも、まだ決着ついてない事案がいくつもあるっけ。
「...は、」
笑い声にならない笑いが零れた。
なんだ私、皆のこと大好きか。
これ全部、皆がいなきゃ出来ないことじゃないか。
無理なのに。
もう無理なのに。
たとえ帰ることが出来たって、私の居場所なんかもうあるわけないのに。
死にたいのに。
望んだ生なんかじゃなかったのに。
なんでこんなに、泣きたくなるんだ。
なんでこんなに＿
「...っ、か...」
君に、会いたくなるの。
「...り、...っ、わ」
呼べない。
呼びたいのに、呼べない。
声、出ない。
「...っ、」
ねえ、苦しいよ。
痛いよ。
ここにいるよ。
「...け、て」
あの日見た炎に囲まれた夢は、すごく怖かった。
でも君の声が聞こえたから、私苦しくなかったんだよ。
夢なんかで来なくていいから、今来てよ。
ねえ、
「...たす、けて...、ばか堀川...」
.
.
「馬鹿はどっちだ馬鹿A」
少し震えたそんな声が聞こえたのと、浮遊感が私を襲ったのは同時だった。
「...、...？」
誰だ、そう思って視線を上にやる。
ぼやけた視界の向こうに、随分と久しく感じる海色が見えた。
その瞬間、目頭の奥がぐっと熱くなった。
心臓が、ぎゅって痛くなった。
「...ほ、り...か、」
「戻るよ」
堀川が、来てくれたんだ。
「...っ、」
帰れるのかな。
本丸に帰って、皆に会えるのかな。
...馬鹿だなぁ、まだ贅沢過ぎる結末を思い描いてる。
ああ、本当に。
望んでなんかいなかった続きの物語は、私にとって、大切なものになり過ぎてしまった。
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
