永遠の終わり ページ43
【Aside】
霞む視界の中で揺れ動く炎。
口の中に広がる鉄の味。
電流が走るような痛み。
「......っ、」
全身を襲うそれらの不快な感覚に思わず上ずった声が出る。...と思ったけど、どうやらそれは音を成さなかったらしい。
気づけば私は、紅蓮の炎が燃え盛るそのただ中に横たわっていた。
「...」
敵の気配はもう感じない。全部倒したらしい。
...何体倒した？かなり倒した気がする。だってあいつら建物の中にばっかり密集していやがるんだ、引きこもりかよ。
そんな悪態を吐きながら、正直気分は最悪だ。
だって炎の中にいるんだぞ。
吐き気がするほど火は嫌いだってのに、なんだってこんなとこにいなきゃいけない。
逃げようにも全身に力が入らない。力を込めた瞬間からそれらが霧散していくみたいな。主に腹から。
...そうだ、腹。銃撃を受けたそのあとに確かぶっ刺された気がする。
しかし何なんだあいつら、寄って集って人の腹狙いやがって。肉付きいいから対してダメージ食らってないだろデブとか言いやがったら殺すぞ。死ねよ。
ああ、全部倒したのか。
...駄目だな、気分最悪のせいか悪口雑言のボキャブラリーが低レベルに達している。
その現状に最悪だとまた内心悪態を吐いて、それでも何だか、そう思えるのが懐かしいと感じた。
今までずっと、自分が自分じゃないみたいだったから。
「...、...」
あの路地裏で彼らと出会って、それからずっと頭に霧が掛かったようにぼーっとしていた。
らしくない振る舞いをして、らしくない物言いをして。皆大分戸惑ってたんじゃないだろうか。
それが漸く晴れたような、今はそんな感じがする。
...まあ相対的に負傷を負ったわけだから、今はそのせいでぼーっとして意識飛びそうだが。
.
...ああ、早くここから出たいな。
出たら単独行動したし多分怒られるだろうけど、怪我が治るまでは待ってくれるだろう。
手入れしてもらって、燭台切達が作ったご飯食べて、寝たい。
早くこんなとこから出て、本丸に帰りたい。
...帰りたい？
「......」
...帰れる、のかな。
もうあの場所は、私の帰る場所じゃなくなったんじゃないかな。
もう、皆と一緒に居られないんじゃないかな。
だって、もう、黙ってられないでしょ？
.
ああ、そうか。
やっと、終わりが来たんだ。
.
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
