透明な壁 ページ12
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「しかし先程の物言いはA殿らしくなかったな」
抜刀しようとする僕をどうどうと宥める兼さんの正面に座る蜻蛉切さんがそう言った。しかし当の本人は何処吹く風で箸を進める。
それをじっと見ていた陸奥守さんが、Aのフードの奥を覗き込むように口を開いた。
「おまん、何かあったんか？」
「...！」
その言葉にA以外の全員が反応する。皆少なからず、こいつの異変に気づいていたからだ。
...そう、変なんだ。路地裏で声を掛けたあの時から。
空気がピリピリしているというか、気が立っているというか...。
『...あの、お味はどうですか？』
『...普通』
あんな言い方だって、普段のこいつなら絶対しない。...僕は例外だろうけど。
「...」
僕らが合流する前に何かあったか...でも薬研さんも兼さんも知らないみたいだし。
何となく、漠然とした胸騒ぎが伸し掛る。
それは、あの花火大会前の一悶着のときに感じたものと酷く似ていた。
「...別に」
「ん？」
「別に何もないよ」
にこと笑ったそいつのその表情は、いつもと同じ人懐っこいあの笑顔だ。
短刀達と遊んで、三日月さん達と談笑して、燭台切さん達が作ったお菓子を食べて...。
そういう時に浮べる笑顔と、何ら変わりはない。
渦巻く不信感と不安に僕が拳を握りしめたその時、そいつはその話題をぶった斬るには充分な爆弾を落とした。
「それよりさ、今後の動き決めなくていいの？...時間遡行軍、もう出現してるけど」
「「!!」」
「なっ!!?」
「どういうことじゃ!?」
僕自身も思わず箸を落とした。
ちょっと待って、遡行軍が出たって...
「落ち着いてくれ。ちゃんと順を追って説明する」
動揺が走った僕ら...主に立ち上がりかけた兼さんと陸奥守さんを宥めた薬研さんは、そう言って言葉を紡いだ。
「まずそれぞれの聞き込み結果が聞きたいんだが、大体あれじゃねえか？..."鬼が出た"」
「きみ達のところもその話が出たのか...俺と堀川もそうだった」
なあ？と鶴丸さんに同意を求められ頷くと、蜻蛉切さんと陸奥守さん、そして兼さんもこくりと頷いた。...あ、
「もしかしてその鬼が...」
「ああ。鬼の正体は時間遡行軍だ。こんのすけが裏取っちまったから、熊や本物の妖の鬼かって希望は既に打ち砕かれてる」
「こんちゃん今入ってこれないから...今から私と薬研でちゃんと説明するよ」
隊長さんは特によく聞いてて、というAの言葉に
兼さんが頷いた。
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
