【沖田総悟】まってる。

よん。 ページ4

『いやぁ、それにしても沖田？だっけ。
まさか本当にここに来てくれるなんてね。嬉しいよ』




そう言ってにかっと笑って見せても沖田は無表情。


おいこら何かしら感情を出してくれ。空しくなるから。




「ここは唯一土方に見つかんねぇ場所だから居るだけでィ」




沖田はそう言うとどこから取り出したのか目の書いてある赤いアイマスクをつけた。




『え"っ寝るの！？！？話そうよ！！！！！』




そう言って木の上から叫んでも返事はない。

寝たのか無視してるのかどっちなのか分かんないけど。


……まぁいい。起こしてやる。


私はそっと木から降りる準備を来て、着地場所を決めた。



よし。




『よっ！』



その掛け声と同時に私は勢いよく、木の上から沖田の上に降りた。



「ぐほぁっ！！！！！！」



『いだっ！』



無事着地出来たものの、膝を地面に強打。

体制を崩してしまい、沖田の上へ覆い被さるようになってしまった。


顔の距離、わずか5cm。




……おーーーうっ

ちょっと待てまじかよこいつ、まじかよこいつぅ

アイマスクを外した沖田の顔がドアップとか聞いてない




さらさらとしたミルクティー色の髪に、パッチりとした目。




……綺麗。



時が止まっているように感じた。



が、しかしだんだんと沖田の顔が近付いてくる。



ちょ！！！！まって！！！！！！それ以上は……！！！！



もう少しで唇がぶつかると思ったら



ゴツン！！！！！！




『い"っ！！！！！！！』



思いっきり頭突きされた。



『何すんのよこの石頭！！！！！』



「人の上に飛び降りてくるやつに言われたくねぇ」



『それはあんたが寝ちゃうからでしょ！！！』



お互い涙目で頭を押さえながら軽口を叩き合う。




そこから草むらの上でもつれあいになりながら喧嘩みたいなのをした。


お互い髪はボサボサで土だらけ。



「『もう帰る』」



と、二人の声が重なったので解散となった。




『ねぇ、沖田。また明日も来てね。まってるから。』


なんか恥ずかしくて目をそらしながらそう言うと
沖田は鼻で笑ったあと


「今日の決着は明日つけてやらぁ」


といって背を向けて町の方へ歩いていった。



沖田の姿が見えなくなった途端


『げほげほっ！けほげほげほっ！！！』


と、強い咳が出てしまった。



『……大丈夫、まだ大丈夫。』


呪文のように深呼吸しながらそう唱えて私も病室へ帰った。

ご。→←さん。

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