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演目18‐1 _ 新月の夜 _ ページ19

No side




とある男が、夜のヨコハマで、


死んだ。




「いぎゃあああ!!」




その男を殺し、


断末魔を聞くのは、


長袖長ズボンを着た細身の男。


彼は美しい銀の髪を持っていた。


スーツを着込み、鞄片手に死体を踏み潰す。


それだけでも十分異質だが、


彼はその両目に、


包帯を巻いていた。




?「…誰か、居るのか?」




だからこそ、


ポートマフィア幹部であり、


右目に包帯を巻いた男の元相棒である、


中原中也の目を引いた。





中也「…嗚呼」



?「誰だ?」



中也「ポートマフィアの幹部だ」




包帯を巻いた男は、


感嘆の様子を見せた。


まさか会えるなんて、と独り言ちている。




中也「手前は?」



?「俺は、只の元会社員だ。つい3日前に辞めた」



中也「只の元会社員が殺しかァ?」



?「前々職に関係してるんだ」



中也「ほォ」




中原中也は笑う。


こいつを引き入れれば、


ポートマフィアはもっと勢力を増す。


彼の野生の勘が、


そう訴えていた。





中也「手前、ポートマフィアに入らねェか?」



?「入りたい、と言ったら?」



中也「首領にお目通りだな。屹度歓迎するぜ」



?「では、入らせていただきたい」



中也「おうよ」




中也は部下に車を頼んだ。


車が来るまでに、


彼らは自己紹介を済ませる。




中也「俺は中原中也だ、手前は」



?「俺は…」




彼の銀色の髪が、夜風に吹かれて揺れる。




津島「俺は津島。津島修治です」




車が来て、彼らはそれに乗り込んだ。


中原中也は知らない。


その名が、偽名であることを。


誰も知らない。


彼の正体を。




演目18-2 _ 津島修治の目は見えているらしい _→←演目17 _ 道化師は思い出す _



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ロア - 面白いですね!!!!!!!!!!!頑張ってください。!! (2023年2月18日 14時) (レス) @page20 id: f71c6b27b8 (このIDを非表示/違反報告)
銀砂売り子 - 如月さん» コメントありがとうございます!ご期待に応えられるよう頑張りますね! (2022年12月12日 17時) (レス) id: a7b57ade6c (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 続き楽しみだこれは、文才分けてください (2022年12月11日 13時) (レス) @page19 id: 301f09f551 (このIDを非表示/違反報告)
銀砂売り子 - コメントありがとうございます!励みになります!! (2022年12月3日 17時) (レス) id: a7b57ade6c (このIDを非表示/違反報告)
藍素(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみに待ってます!文才が…すごい!分けてほしいくらいです (2022年12月2日 22時) (レス) id: 81a29d8f69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀砂売り子 | 作成日時:2022年11月26日 8時

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