58*夜風。 ページ18
「では…以上になります。お手数ですが、よろしくお願いします」
知念さんが書類について色々説明してくれて、終わった時には智さんも私も、頭がパンクしそうになってた。
「丁寧にありがとねぇ」
「ありがとうございました」
海外からの帰国、っていう特殊なケースなのに、知念さんはしっかりとこなしてて、その臨機応変さは同じ新人として本当に尊敬する。
「本日は誠にありがとうございました」
知念さんは深々と頭を下げて、出口で私たちをお見送りしてくれた。
「ありがとうございました、またねぇ」
智さんが知念さんに向かって手をヒラヒラっと振ると、
少しはにかみながら、知念さんが小さくてを振り返してるのが、見えた。
・
・
「Aちゃん、お腹減ったぁ！」
外に出て歩き出した瞬間、
智さんのお腹が、キュルル…と可愛い音を立てた。
「確かに…」
そう言われて時計を見るともう18時を回っていて、
さっきまで明るかった並木道もすっかり暗くなってる。
「頭使ったから、余計にお腹空いちゃうのかなぁ」
アハって笑った智さんが、ぺったんこのお腹をさする。
「ふふ、確かに頭使うとお腹すきますよね」
学生時代、テストの時ってなぜか不思議とお腹が鳴って、
恥ずかしかった思い出がある。
「何がいいかなぁ？」
結局お昼のカレー屋さんがあったアーケード街に戻って、
智さんと二人でキョロキョロ、お店を探す。
「お昼と違う匂い、するねぇ」
やっぱりアーケード街の色々なお店から立ち上るいい香りに、智さんは鼻をクンクンさせてて、
目を細めて幸せそうに頬っぺたを上げるトコロを見ただけで、勝手にキュン、ってしちゃう私の胸。
「あ、美味しそぉー」
智さんがピタッと足を止めたのは、ギョウザが美味しい居酒屋さんの前。
「ギョウザ…いい？」
『ギョウザはニンニクたっぷり使ってるから、異性との食事ではできれば避けたい…』だなんて、
この前読んだ雑誌には書いてあったけど、
智さんにこんなキュルンとした目で見つめられたら、
「私も食べたいです！」
って思わず言っちゃうに決まってる。
「やったぁ！」
ふわん、っと笑った智さんが、私の手首をキュ、って掴んだ。
「じゃあ入ろぉ」
さ、智さん、手…！手、無意識に握ってる…！
私の胸がドキドキ音を立てるのなんて、全然気がつかずに、
智さんは、そのまま入り口のドアをガラガラ…って開けた。
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璃夢(プロフ) - みっきさん» みっきさん、コメントありがとうございます。智さんのほんわかと優しさ、感じていただけて嬉しいです。私も書きながら癒しのパワーをもらってます笑 これからもどうぞよろしくお願いいたします♪ (2020年6月10日 0時) (
レス) id: 7d2e6a298f (このIDを非表示/違反報告)
みっき(プロフ) - 初めまして(^^)いつも楽しみに読ませていただいてます♪智くんのほんわかと優しい癒しオーラを感じて毎回読み終わったらほっこりしてます。次回更新も楽しみに待ってますね♪ (2020年6月4日 0時) (レス) id: 0364fca5be (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - かえるさん» かえるさん、コメントありがとうございます。お話楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪青い鳥の開設、今準備中なので、用意が出来たらすぐにお知らせしますね^ ^ これからもよろしくお願いします！ (2020年5月31日 0時) (レス) id: f209da7995 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！！差し支えなければ、智さんの新しいお家の見取り図が見てみたいです(^^) (2020年5月23日 1時) (レス) id: a9f7041f7f (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - ゆうにゃんさん» ゆうにゃんさん、コメントありがとうございます♪ ドキドキしていただけて、とっても嬉しいです。これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2020年5月20日 9時) (レス) id: f209da7995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃夢
| 作成日時：2020年5月17日 22時
