私もあなたを守りたい！！《鬼滅の刃》

　玖　. ページ10

扉の前に立つと開かれる扉

Aは3人の後ろに立つ
大きな扉をくぐり抜け、炭治郎達はいつものように裏庭の方へと回り屋敷の中を歩いていく

ｼﾞｬﾘｼﾞｬﾘ…

(この足元の砂利……産屋敷の………
これから、私は御館様に会うことになるのね……。)

拘束された掌をギュッと握る

最後の角を曲がると、そこにはあの9名の柱達の姿
その中には、あの" 無限列車編 "で眠りについてしまった彼の姿があった

『きょ…じゅ……さん………』ﾎﾞｿｯ

炭「え……」
善「だだだだだ大丈夫Aちゃあぁあん!!!!!!!」


思わず感極まって泣いてしまった
どれだけあの映画を見て、あなたの最後を見届けて泣いたか…

猗窩座との戦いに敗れて空へと行ってしまった
だけど、今目の前にいる

『生きてる………ｯ』

後ろで拘束された手じゃ涙は拭えない
下を向いて蹲り、思わずこぼれた涙を膝で拭う

蹲っていると炭治郎が背中に手を置いて「大丈夫か？」なんで声をかけてくる

感極まったとしてもいきなり泣き出すなんて変すぎる
涙をグイッと拭い顔を上げた

『うッ…うん…ごめんね、大丈夫…に"ゃっ!!!!』

顔を上げれば、9人の柱達と善逸、伊之助すらも覗き込んでいた
思わず、変な声が出てしまった

黄色の綺麗な髪に、毛先には綺麗な赤

(あたしの大好きな杏寿郎さん………)

上げた顔を思わずまた下げてしまう
蹲るAの姿に眉間に皺を寄せて、頭にハテナを浮かべる柱と炭治郎達

「なに、泣いてやがんだァ?」
「あらぁ、どうしたのかしら。」
「とおっても可愛い子だわぁ!きゅんきゅんしちゃう!」
「ド派手に泣き始めたな？」
「よもや、俺たちを恐れてだろうか!!!!!」
「なんと、妖美な…妖にでも取り憑かれているのだろうか…南無阿弥陀仏…ッ」
(あそこに咲いてる花の名前なんだっけ……？)
「見知らぬ顔の奇妙な格好をしている女、人様の顔を見るなり泣き出すなど、失礼がすぎる。どう落とし前つける、何をしてやろうか？」
「………………猫だ…………」

「はぁ？猫ぉ？」
(俺も少し思ってしまった)


『あ、あの……ｯ……ごめんなさい。なんでも、なんでもないんです……。』

下を向きながら、そう呟いた

「「御館様の御成です。」」

双子の声が聞こえると、柱達はｼﾞｬﾘｯ…と膝をついて頭を下げる


御「やぁ、みんな今日はいい天気かい?」

「はい、とても綺麗な青空でございます。
御館様におかれましても御壮健で何よりです。
益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。」

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