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ザアァアァアッ……!
ふりしきる雨の中、私の手足は動かせなかった
長い黒髪は、雨に打ち付けられ、地面に散らばる
ザッ…
足音が聞こえ、私のそばに人影が立つ
『はは…とーりょお…ッ
なんて…かお、してるんで……』
「…………ッ
A…………………。」
『……よし…もり…は?』
目の前にいる頭領へと手を伸ばせば、羽織が濡れるのも関わらず、私の元にしゃがみ込み、血まみれの私の手をギュッと握り返してくれる
「大丈夫だ…お前のおかげで助かったよ。
わざわざ鳥森学園に来てくれて、弟を守ってくれて…お前には恩義しかない…。」
『いいんです…………これで、あなた達へ借りは……返すことが……できました…ね……。
だけど……良守には、申し訳ないことを…してしまいましたね…ッ』
ギュウッと手を握る力を込められるが、正直その感覚もわからないぐらい体からどんどん力が抜けていくのがわかる
『ゲホッ!!』
咳をするとゴボッ!と血が吐き出される
最後の力を振り絞り、ぎゅっと弱々しい力で頭領の手を握り返した
ちらりと、横目で見ると良守と時音が酷い顔でこちらを見ている
私は小さな声で、『おいで……』と口にすると、こちらに駆け寄ってくる2人
『良……もり…と…きね……
頑張るのよ……。』
ニコリと弱く微笑む
気がつくと雨はいつのまにか止み、空には明るい星達が輝き、月が私たちを照らし出してくれる
『あぁ………月が…綺麗だわ……。』
ふふっ…と弱々しく微笑む、最後に見た空は、私の瞳と同じ紺色の色をしていた
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RINA(プロフ) - リアさん» ご指摘ありがとうございます!直しておきます! (2023年2月7日 8時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
リア - すいません。母親になってます。母上ですよ。 (2023年2月6日 17時) (レス) id: 0e093b1cf6 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - 桜さん» 長い間、更新をせず本当に申し訳ありませんでした(泣)また少しずつ更新していこうと思います!読んでいただきありがとうございます! (2023年2月6日 17時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続き読みたいです。ずっと待ってました (2023年2月6日 12時) (レス) id: b03321ee13 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - リアさん» すいません!非公開にし忘れていました泣!!書き込んだ後また更新させていただきます! (2022年4月7日 7時) (レス) id: b459f0a978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RINA | 作成日時:2022年1月24日 8時