【鬼滅の刃】新人看守は美人で鬼殺隊からも愛されてます。

第八話 ページ10

「_________……善逸さん…善逸さん。起きて下さい。交代ですよ。」









一時間後。交代する時間だと、彼を揺らす。朝日は完全に昇っていた。


しかし彼は熟睡しており、起きる気配がない。









「(まぁ、日も昇っていますし、このままでも大丈夫でしょう。)」









それに私も眠い。流石に一日ずっと起きている訳にもいかない。寝れるだけ寝ようとリュックにしまっていたスマホにタイマーをセットする。




そして座ったまま、目を瞑った。









＊＊＊


「_________……ん…」









何か、重い。太股だろうか。何かの体重がかかっている。




ゆっくりと目を開けた。






するとそこには……









？？「ﾌｼｭｰ、ﾌｼｭｰ…」









_________思わず呼吸をするのを忘れる。




なんと目の前には"猪"の顔。




いや、違う。猪ではあるのだが獣ではない。猪の被り物を着けている男性だ。









「っ…」









驚いて思わず背筋を伸ばし、木に背中をぴったりとくっつける。


見えているのだろうか、彼は私の事を顔の角度を変えまじまじと見つめている。









「……何か、ご用でしょうか。」




？？「……」









すると彼は何を思ったのか私の首筋に鼻を寄せる。そしてスン、と匂いを嗅ぐ。




ゆっくりと距離を取り、そのまま消えてしまった。









「……


(何だったのでしょう…)」









何かを盗みに来た訳でもなさそうだった。さしずめ鬼でもない。


私は全身の力がフッと抜けた。









_________やはり寝るのは止めようと思った瞬間でもあった。

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