第七章 ページ8
自身の子供を散々煽った後、男はふぅ、と吐息をついた。
オーナーは肩を小刻みに震わせて、怒りを何とか殺そうとしているように見える。
「悪かったとは思ってるよ」
口先の言葉が、彼を探していた二人の子供にとって、どれだけ冷酷かをこの男は知らないのだろう。
「でもやらなきゃいけないことがあった。
今ならしゃべれることだ、話しておこう。
葵にも話した内容だしな」
男は煙草を胸ポケットから取り出して口に宛がうと、年代物のライターで火をつけた。
煙を細く吐きだした後、ゆっくりと語りだす。
「俺が柊に入ったのには理由がある。
……うちのボスは面白いことが好きなんだ。
中でも一番好きなのが殺しだ。
人の命が消える、その瞬間。
それが一番滾るらしい。
だが、殺しといっても一般人じゃあ面白くない。
簡単に倒せてしまうからな、つまらないんだそうだ。
そうやって殺しをやるうちに、イタリアのマフィアの強者の数も減っていった。
そこで考えだされたのが、強者を産み、育てるといったものだ。
その地にぴったりだったのが柊家。
丁度当時、婿養子を探していたこともあってチャンスだと思ったんだ。
思惑通り、葵は強く育ってくれたよ。
俺はあいつが育っていってることに安心して、次の強者を生みだすために日本を去った。
それからイタリアに帰ってきた俺は、お前の母親に言い寄られて結婚した。
消えたのはそうだなぁ、俺が飽きたからだ。
それでもまぁ、こんな大きくなって俺は嬉しいよ」
オーナーは何も言わなかった。
言いたいのを我慢して、飲み込んで、冷静になろうと必死に務めていた。
俺が彼の顔を覗き込もうとしたとき、「さて」と。
「……じゃあお兄さん。
今度は葵の話をしようか」
男の瞳の奥に、優しさなどなかった。
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おむらいす星人(空弥)(プロフ) - ナッキーさん» 読んでくださる方が一人でもいらっしゃるのなら、書こうかな、とも思えるようになりました。感謝してます。非常に短い間ではありましたが、ナッキーさんのお陰で更新停止を解こうかと思ってますw長文すみません。また良ければこの作品を覗いてくださると幸いです (2019年5月13日 21時) (
レス) id: 7c5acb30f8 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす星人(空弥)(プロフ) - ナッキーさん» 返信遅くなりましたが返させて頂きます。正直この作品は私自身も大好きだったのでそう言っていただけただけでも嬉しく思います。上の文章を書いているとき、本当に不安でしかたがなくて、この作品の需要はないものだと思うくらいにしんどかったので……→ (2019年5月13日 21時) (レス) id: 7c5acb30f8 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす星人(空弥)(プロフ) - 碧依さん» 遅くなりましたがコメントありがとうございます！……戻ってきたい気持ちと書かない方がいい気持ちとが半分半分といった状態ですが、そう言っていただけて気持ちが楽になりました。本当にありがとうございます (2019年5月13日 21時) (レス) id: 7c5acb30f8 (このIDを非表示/違反報告)
ナッキー(プロフ) - 初めまして、私はこの作品を頭から読んでいてとても好きでした。最近だと、男主作品を読むことがかなり多くなりました。ですが、作者の執筆意欲を下げる行為に悲しくなりました。もっとこの作品を読んでいたかった私にとっては残念です。空弥さん、更新待ってますからね (2019年5月7日 5時) (レス) id: 105b0be3f0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - そうですか、残念です。平等に評価されるまで此処には戻って来なくていいと思います！空弥さんの作品大好きなので待ってますね。 (2019年4月20日 19時) (携帯から) (レス) id: fa08d6addd (このIDを非表示/違反報告)
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