サバナクローの美猫さん

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『──……え？』


襲いくる痛みや衝撃がいつまで経っても来ることはなく、代わりにパサパサと肌に当たる紙の感触。
恐る恐る目を開けると、薔薇の木は無くなっていてトランプが宙を舞っていた。


リドル「な、んだとっ……！？」

トレイ「リドル！もうやめろ！！」


トレイ先輩がボクに背を向けて立っている。
マジカルペンを握ってることから、このトランプはトレイ先輩のユニーク魔法であることがわかった。

トレイ先輩のユニーク魔法
【薔薇を塗ろう(ﾄﾞｩｰﾄﾞｩﾙ・ｽｰﾄ)】は一時的に相手の魔法を自分の魔法に上書きできる。
つまり、リー君の魔法は全てトレイ先輩によって【トランプを出す魔法】として短時間上書きされたことになる。


リドル「く……っ！首をはねろっ！！首をはねろったら！！
何でトランプしか出てこないんだよぉ！！」


リー君がマジカルペンを振る度にトランプが舞う。自分の魔法が上書きされたことで混乱するリー君を見て、周りにいた寮生達も流石にドン引きして彼から距離をおいた。


リドル「は……？トレイに魔法を上書きされた……？僕の魔法より、君の魔法の方が優れてるってこと？」

トレイ「そんなことあるわけないだろ！リドル、一旦落ち着いて話を聞け！
お前、誰に攻撃したのかわかってるのか？！」

リドル「君も僕が間違ってるって言いたいの？！ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに！！


ずっとずっと我慢したのに！！
Aに相応しくなるように努力したのに！！

僕は………僕は……信じないぞっ！！！！」

クロウリー「やめなさいローズハート君！それ以上魔法を使えば、魔法石が【ブロット】に染まりきってしまう！！」



リドル「僕は………僕こそが！！！


絶対、絶対、正しいんだーーーーー！！！！」




トレイ「リドルーーーー！！！」








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