15. ページ15
.
大切な師匠の孫を敵として認識し、助けるどころか罵ってしまったからなのか、悲痛な叫びを上げるオールマイト。
精神的に追い詰められ闘うことが出来ない彼に、瓦礫に埋もれた女性が助けを求める。
それを皮切りに、街中からオールマイトを応援する声が聞こえ始めた気がした。
オールマイトはその声に応えるように、右腕に力を籠めて構える。
マイト「──あぁ…多いよ、ヒーローは守るものが！
オール・フォー・ワン！！
だから、……負けないんだよっ！！」
AFO「…………。」
再び張り詰めた空気が漂う。
先生が精神的に彼を追い込んでも、彼を求める人達の声が原動力となり力を与えてる。
……これが、本当のヒーローの姿？
胸がドクッと強く脈打つ。
昔の……オールマイトに憧れていたあの頃を思い出す。
どんなに惨めな姿を晒されようとも、彼は【平和の象徴】なんだと……見せ付けられてるようだ。
またあの感覚が襲ってくる。
合宿で感じた、あのどうしようもない感情。
憎い筈なのに……嫌いな存在の筈なのに……
どうしてこんなに心揺さぶられるんだ？
AFO《──A、聞こえるかい？》
『！！、先生？』
頭の中に先生の声が響く。バーにいたときと同じ。
何の"個性"を使ってるのかわからないけど、この声は僕にしか聞こえないみたいだ。
AFO《また悩んでいるね？君の心の揺らぎを感じるよ。》
『あのっ…！それは……、』
AFO《大丈夫。生きてる上で"選択"というものは必ず訪れる。
それをどう決めるかはA自身だ。
結果などは誰にもわからない…勿論僕でもね。》
『……………、』
AFO《いいかい、A？
これが僕とオールマイトの最後の闘いだ。
君を守ることは出来なくなる。何が起こるかもわからない。
自分の"個性"で上手く身を守るんだよ。》
『先生っ…僕も闘いますっ！貴方を守りたいんですっ！』
AFO《…………ありがとう。その気持ちだけで充分だよ。》
その先生の優しい声は、まるでもう会えないことを暗示しているかのようで……。
不安で不安で仕方なくなる。
『先生……先生っ…！いなくならないでっ！
先生がいなかったら僕はっ……！』
AFO《…………A。自分のズボンの右ポケットを見てごらん。》
『…右、ポケット？』
僕は先生の言うとおりに自分のズボンの右ポケットに手を突っ込んでみる。
すると指先に何か冷たい感触がして、それを引っ張り出してみた。
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 647人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mikitty(プロフ) - コメント失礼します！この小説面白いですね！高評価しておきました！更新楽しみにしています！ (2021年3月27日 18時) (
レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - しのぶ様、えど様、ご感想ありがとうございます！精一杯頑張ります！ (2021年3月24日 21時) (レス) id: 1bc8c891e8 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - すごく面白いです！更新楽しみに待ってます！ (2021年2月25日 14時) (レス) id: 1af688c46c (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 頑張って下さいね！ (2021年2月10日 22時) (レス) id: 399359edd6 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - 皆様ご感想ありがとうございます！まとめてで申し訳ありません。気が付いたらコメントが溜まっておりました……。更新を楽しみに待っていただきありがとうございます！プライベートもあるので、頻度は下がると思いますが何卒よろしくお願いいたします！ (2021年2月2日 8時) (レス) id: 1bc8c891e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミヤビ
| 作成日時：2021年1月8日 1時
