アガペーな愛 *15 ページ16
私は手を伸ばす
伸ばした手は坂田さんの首元を目指し、
ぎゅっと彼に抱き付いた。
一瞬の事で状況が掴めていない様子の坂田さんだったが、私が抱き付いてる事に気付くと慌てた坂田さんが私を引き剥がそうとする。
「A、だめやって、離れて!」
坂田さんの制止する声が聞こえるが私はどんなに抵抗されても離すまいと抱きしめる腕に力を込める
「A…ほんとに…「出会ってから謝ってばかりですねぇ、坂田さんは」
喋っている最中の坂田さんに被せて発言する。
ぴたりと引き剥がそうとする手が止まった。
「魔力のことは志麻さんから聞きました。坂田さんの力も。」
「………怖くないん…?俺のこと」
恐る恐るという様に坂田さんが私に問う。
私は坂田さんの背中をさすりながら、嘘がない様に答える。
「んー…怖いか怖くないかで言ったらそりゃぁ怖いです。だって坂田さんも志麻さんもセンラさんも人間じゃないし、私にとっては未知の存在ですからね。
でも今回のことも、故意に私を傷つけようとして傷つけたわけじゃないのは分かります。」
“—未知の存在っていうのは誰だって怖い—“
「だからこそもっと坂田さんを知りたい、あなたが私に向ける愛情にもちゃんと向き合いたい。」
“—君を知りたいし、私を知って欲しい—“
「私は、坂田さんが思ってるよりタフだから気絶の1、2回くらいどうってことないですし、ワガママだから離れて行く方が寂しいし傷つきます。」
“えへへ”と笑いながら私は言葉を紡ぐ。
「俺…そばにいていいん…?
Aの事、好きなままでいていいの…?」
きゅっと私の服の裾を坂田さんが掴む。
ここまで来てこんなにも遠慮がちな坂田さんが
とてもいじらしくて、いっそ愛おしく感じる…
「もちろん、一緒にいてください。
それともなんですか?さっき志麻さんに言ってくれた事は嘘だったんです?」
揶揄う様に志麻さんの名前を出せば
先ほどまでとの頼りなさげな雰囲気とは一変し
ムッとした様な口調で
「そんなわけないやろ!!!俺、まーしぃにもセンラにもうらさんにも負けんで!!!」
宣戦布告と言った様に思いを口にして
背中に手を回し、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。
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悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - 結月。さん» 暖かいコメントをありがとうございます。1章出たての頃から見てくださっているとのことですごく嬉しいです😭途中間が空いてしまったりもしましたがきちんと完結させるつもりなのでどうか3章も引き続き見てくださったら幸いです🙇♀️ (2023年2月7日 10時) (レス) @page46 id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - コメント失礼致します。2章完結おめでとうございます!!作品ができた当初からいつも更新を楽しみにしておりました。物語の展開もすごく面白くて、大好きな作品です。これからもとても楽しみです。陰ながら応援しております…!! (2023年2月7日 4時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - にやあ確定さん» 当作品初めてのコメントで、作者はとても感激しております!!!更新頻度の事、内容、楽曲の解釈共に褒めていただけてとても嬉しいです…!🥹決して短くない私の小説を読んでくださりありがとうございます。ぜひこれからもお付き合い頂けると幸いです! (2022年12月14日 8時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
にやあ確定 - コメント失礼いたします◎更新頻度が高い上に物語の内容にとても惹かれました...😽何より作者様の楽曲への解釈がとても素敵です‼✨素敵すぎる悪魔執事を書いてくださり有り難うございます😈✨ (2022年12月12日 22時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠永 | 作成日時:2022年11月24日 11時