五条悟に100万回殺’された女

36話 ページ36

「寝てる奴を殴るとか教養が無ぇんじゃねぇの？」

A「年頃の女性の上で寝てる男に言われたくねぇわ！」





「あ〜、痛い、痛い」と頭を摩っている五条を睨みつけ、「昨日のこと説明してもらおうじゃないの」と問い詰める。


しかし、五条は私の言っている意味がわからないのか、

はたまた面倒くさいと思っているのか、イマイチ反応がこない。





A「オラッ！納得のいく説明をしろや！！この獣め！！」

「え〜、あ〜、さっきから何の話ししてるのか全くわかんねぇんだけど」





あまりにも普通にそんなことを言うものだから「はぁ〜？？？」と大きな声が出る。



ありえない、ありえない、私のファーストキスをあんな無理やり奪った癖に覚えてない？！

はぁ？！ふざけんなよ！そうやってお前は何人もの女性を泣かせてきたんでしょうねぇ！！






怒りでプルプルと震えている私に「ねぇ、お腹空いたんだけど」とほざきやがる五条を思わず殴りそうになる。



「ねぇ、俺、フレンチトーストがいい、めちゃくちゃ甘いやつ」

A「あんたねぇ、ふざけ…、いや、待って」




別に昨日の出来事を掘り返す必要ないのでは？


当の本人も忘れていることだし、このまま無かったことにしてしまってもいいのでは？



そうだ、そうだよ、私もあれをファーストキスにするの嫌だし、てか、あんなのノーカンだし！

うん、それがいい、昨日はなにもなかった。よし、これでいこう！





A「も〜！ちゃんと話し聞かないとダメでしょ〜〜！五条くんは！でも、しょうがないから作ってあげちゃう！」


「こわっ、お前の情緒がわかんねぇ…」








先ほどまで怒っていた私が、突然ニコニコしだしたことに五条は目にわかるほどにドン引きしている。



いったい誰のせいで怒ってたと思ってるんだと言ってやりたかったが、グッと堪え、そのままキッチンへと向かう。

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