おんぶ ページ32
「彼はクビにはならないのかな？」
ずーっとさとし君と旅行雑誌を見て楽しそうに話し続け(まさきの一方的な会話だったが)
彼が帰ったのは辺りが暗くなってからだった
少し疲れたのか、ぼーっとした瞳が俺の持つ茶封筒を追いかける
右手に茶封筒
左手にさとし君の手
「さとし君、危ないからちゃんと足元見て」
軽く躓いたさとし君に注意して、温かくなってるさとし君の手を軽く引くと・・・
軽く引いたのに、ボスンと俺の背中にさとし君の顔がぶつかってきた
「よいしょ」
苦笑と共に、危なっかしいさとし君をおぶる事にした
さとし君の両手が俺の肩に置かれたのを合図に、階段を上りきり、そのまま家の中のソファーへと降ろす
ちょっと脇に挟んだからか、くしゃりとひしゃげた茶封筒
「見ない方が良い？」
それを追いかけるさとし君の目を、阻むようにしてその前に座り込むと、又唇をきゅっと噛んで、下を向いてしまった
将来的に中の書類が必要になるかも知れないけど、今は必要ない
まさきの兄貴像だと、下手な物は入っていなさそうだが
暫く待ったが、返事はなかった
さとし君の頭を撫で、立ち上がると
「お風呂、入れてくるだけだよ笑」
そう言っても、さとし君は付いてくるから
そのままにして、風呂へと向かう
バスタブに軽くシャワーを流して、栓をし設定ボタンを押す
「今日は、お鍋にしようか？
随分と季節外れだけど笑」
返事は、無い
今日は、初めてのお使い迄したのに
やり切った笑顔が、とても誇らしげだったのに
「右側は危ないから、左側においで」
そう言うと、俺の右から左へと移動してくれる
残り物の具材を、適当な大きさにざく切りして
鍋に投入していく
「出したら駄目だよ」
入れた人参が左けら伸びた手によって出されていってしまう
「俺が食べるから、ほら」
元の鍋へと入れていくと、口が尖ってくる
変わらず返事は無いが
少し、元気が出てきたみたいだ
「後、何入れようかなぁ」
冷蔵庫の野菜室をしゃがんで漁っていると、背中にのしりと体重が負ぶさってきた
「おんぶ、気にいったの？」
無理矢理おぶさろうとするさとし君の体の動きは、謎の動きをする笑
おんぶは、おんぶする方が動かないと滑稽なんだなぁ
なんて、よく分からん考えを巡らせつつ
甘えてくれている事に、ホッとする
半分になってる大根を取り出し、考える
さて、背後で必死に足をかけようとしてる子を、どうしようか笑
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かおる(プロフ) - じゅーくろーさん» 此方こそ、いつも有り難う御座います。返信が遅くなり申し訳ありませんでした。新作、出したので、又お暇な時があれば、お越し下さい。本当に、いつも有り難う御座います。 (2020年8月9日 13時) (
レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
じゅーくろー(プロフ) - さとしくんが幸せになって良かった。大団円ですね。じゅんくんの存在が偉大すぎる！(笑)教育的指導出来るのは、彼しかいない。しょうとまーは、さとしの可愛さに溶けちゃってますもんね。ニノさんも幸せ掴んで欲しいな。ありがとうございました。 (2020年7月22日 0時) (レス) id: 26990fcaa5 (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - じゅーくろーさん» 関係は、難しいですね。でもかずは、暴力は決して振るいませんでした。幼き日に、力で捻じ伏せられた。それと同じ行為は決してするものかと。でも、守られなかった自分もいる訳で、色々な葛藤、後悔、それでも…。だから、彼はさとしと離れる事で進めた。そんな彼でした (2020年7月18日 13時) (レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - masaoさん» 有難う御座います(*´ω｀*)一人でも良かったけど、もう一人のしょう君に出張って貰いました。理解して連れ添ってくれる人がいる。なんで、彼はこれから心穏やかに過ごせられるかと。 (2020年7月18日 13時) (レス) id: 17862cad9e (このIDを非表示/違反報告)
じゅーくろー(プロフ) - かずとは、一体どんな関係だったのか気になります。番外編楽しみです。いつも更新ありがとうございます。 (2020年7月17日 23時) (レス) id: 26990fcaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおる | 作成日時：2020年6月30日 1時
