愛を売る人 … １６ ページ17
櫻華楼に戻ってからも、オレはさっきの出来事を忘れらずにいた…
心を鷲掴みにされたような、あの衝撃的な瞬間
思い出すと、今も胸が苦しくなる…、生まれて初めてのこの感情に、オレは酷く戸惑いを覚えた…
あの人は、誰なんだろ…
幸いあの騒ぎを店にチクられるコトも無く、オーナーに帰りが遅れたコトを少々怒られたけど、わりと直ぐに解放された
ニカもどうにか弟さんへのお土産を送れたようで「ミツ、一人にしてゴメン…」と謝ってきた
「全然！弟、お土産届いたらきっと喜ぶよ」
「うん、だといいなぁ…」
嬉しそうなニカの顔に満足して部屋に戻り、窓辺の障子を開け、茜色のキレイなソライロを見ながら、今日の外出をまた思い返していた
アイツ、キレイな笑顔してたな、大分チャラそうだったけど、心はホントに優しい人だ…
Ωのオレを見捨てずに最後まで一緒にいてくれた
「あ、手首…ちょっと赤くなってる…」
逃げる時に掴まれた手首に残る力強さと、眺めの前髪から覗く整ったラインの横顔を思いだし、トクン…と胸が騒いだ
《オレ、キス上手いだろ、感じた？》
本当に、そうなんだろう…
そっと唇に人差し指を置くと、交わしたキスの温度と唇の柔らかさが戻ってくるように思えた
どうしてこんなにも、惹かれるんだろう…
初めて会った人なのに…
ワケが分からなくて、ザワつく胸を両手で押さえ、ホッと溜め息を吐いた…
「…花魁？」
「は、はい！？」
障子の向こうからオーナーの声がして、返事を待つことなく開き、オーナーが慌てたように入って来た
「山下様が急なお越しだ、直ぐに支度をしなさい」
「え？トモが…明日の予定では？」
「さあ、気が変わったのかもな、今日お前をフリーにしといて良かった、肌直しもさせたし…、直ぐにおもてなしの準備をするから、その間にお前は湯浴みをしておいで！」
逆らうことなんか出来るはずもなく、急き立てられるように湯殿に連れていかれた
引き戸を開けると、湯気で温められた湯殿に、数種類の花の匂いを混ぜた香りがした
「なんでこのオイル…入ってるんだ…？」
これは客を寝所で迎える前の準備だ…
タップリの湯の中に落とされたアロマオイルの香りが湯殿に立ち込める…特別な調合をされたこのオイルには、行為を誘う為のある種の効能が含まれていた
トモは、オレとカラダを繋げるコトを求めない、だから湯浴みはしても、今までこのオイルを使うことは無かった…
「なんで、…どうして急に…？」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 機会があれば書いてみたいと思います！コメ大感謝です！ (2019年2月9日 19時) (
レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 連コメありがとうございます！ですよねー特にみっくん笑、実際の男子高校生はまだ幼さがありますが、ハマってるのは間違いない笑、でも先生もいいんだよなぁ…、雪華でどっちも書いたな、と懐かしく思いました、学園モノは書いてても楽しいので、樹ちゃんとのエピも (2019年2月9日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 樹ちゃんからの手紙を読む場面は何回見ても泣けてきます。30過ぎると、高校生役って違和感を感じるのに、キスマイは違和感がないのは何なんだろう。特に藤北は… 学園ドラマ出られそうな程に自然に見える(^^; 樹ちゃんと幼馴染と藤北の恋 良いかもです。(^-^) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 09c99e26a2 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» エイベたんの《樹エピ 》にまた違うお話浮かびそうで、想像蹴散らしてます、もう掛け持ちはムリ笑、コメ大感謝です！ (2019年2月9日 12時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» ホントなのかわかんない笑、勿論アルバム＆魂は今か今かと期待しております！とりあえずオリコンの結果がドキドキ…そしてトラさん、Mステ…あーもぉ有りすぎて幸せな困り方笑、お話はかなりheavyな展開になるかもです、ヤバいな…宜しければ続き覗いて見て下さいねー！ (2019年2月9日 12時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2018年12月29日 18時
