《藤＋北》が、くっついた！？ ２ … ベトベト編

ベトベトな二人 … ２７ ページ27

横尾さんに部屋から追い出されて、藤ヶ谷とオレはとりあえず使ってない控室みたいなのトコに異動した

怒ってんのか、藤ヶ谷は一言も口聞かないし、視界には背中だけ…ハァ、何でこんなことになってんだろ…何食ったけな、オレ…

こんな大事な時期にどうして…って、痛痒い胸元に手をやると
「掻いたら余計酷くなるぞ、止めろって！」て言われて、手を掴まれた

「薬持ってねぇの？」
「朝起きたらこんななってたから、なんも…」
「冷やしたらマシかな…ちょっと待ってて」

って、そのままどっかに行ってしまった

部屋に残されたオレ…
渡された今日のスケジュールを確認しようとプリントに目を落とした

大まかな流れは変わってない
セトリもそのままか、ニカ千の読み、ファンの子にドンピシャだったな、もう何でも任せられる様になったんだ…

デビューの頃と比較すれば、弟達の成長っぷりは驚くほどだ、なんならオレよりも進化してる気がする、ユニットを組んだことでセルフプロデュース力は段違いに上がっていた

とは言え、オレも弟達に負ける気はサラサラない！このカラダとアタマをフルに使って、オレ達にしかできないパフォーマンスで、ここにいる人を魅せていく、

そう思ってるんだけど…この大事な時に体調不良とか、全力で落ち込む…


溜め込んだブルーな気分を解放するように息を吐くと、軽いノックの後藤ヶ谷か入ってきた

「ほら、コレ借りてきた」
って差し出したのは、保冷剤のデカいヤツ

「氷無いし、コレでガマンしといて」って…
「ん？どうすんのコレ？」って言うと、首に掛けてたタオルに包んで渡してきた

「ギュッて抱っこして、冷えたら少し痒いの治まるから」
「あ、…なるほど…サンキュ」
「いいけど…、さて、どうするかな…」ってジャージのポッケからペットボトルの水をオレの目の前に置いた

「あ、さーせん…」
「刺激物ダメだかんな、治り悪くなるから」
「う…ん…」

そして藤ヶ谷は、オレの前に座りじーっと顔を見見てきた

「な、なに？」
「何って…考えんだろ？NEO REAL ME…」
「あ、うんうん…」
「ベトベトは歌詞のコンセプトだから、止めるわけにいかねぇよな…塗りたくる場所だよな、衣装のこともあるし…その後の流れも考えないと…」

スケジュールの紙の裏にペンで何やら書き始めた、あー人のカタチか…藤ヶ谷の絵ってシュールだもんな

「なあ、オレならホントに…」
「しつこい！胸は塗らない！…魅せる方法は他にもあるから、心配すんな…」

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