Precious Lover … ３０ ページ31
「今回の材木問屋さ、にわかなんだよな…作業員もなーんかちゃれーンだよな、…アイツらちゃんと材木保管してんだろうな、横倒しに置くと湿気吸っちまうから立てとけって言っといたんだけどな…」
何処に置いてんだ？…て敷地に目をやる棟梁、
「向こうにブルーシートで覆ってるのがあります、ソレですよね」
「この風だ、足場と柱の立て付けも見とかねぇと…、べっぴん、なんかオマエ顔色悪くねぇか？」
棟梁が顔を覗き込むように近づけてくる
「そんなコト無いです、オレ材木見てきますね」
咄嗟に体調不良を隠すために、オレは棟梁に背を向け、材木置き場に歩いていった、…
薬、効いて来ない、…アタマ…痛てぇ…まるでギリギリと荒縄で締め付けられてるようだ、痛みのせいか、胃の中のモノが喉元までせり上がってきてる気がする
口元を抑え、落ち着こうと少し目を閉じる
「べっぴん、風が強ぇ、気ぃつけろ！」
背中越しの棟梁の声を聞きながら、「はい！」と返事だけした
ブルーシートを捲りチェーンで材木置き場に柱が固定できてるかをチェックする、パッと見、問題は無さそうかな…
ブルーシートを掛け直し、躯体を見ようと材木に背を向けたその時、激しい突風が巻き上がっる、その轟音の中で、金属の弾ける音がしたような気がした、
「べっぴん！危ねぇっっっ！」
オレが振り返ったのと同時に、長瀬棟梁の声が耳に鋭く入ってきた、スローモーションの様に目の前に見えたのは、倒れてくる材木だった
咄嗟にアタマを庇うように両手を掲げたオレは、誰かに抱きすくめられそのまま地面に転がった、ギュッと目を閉じていた目をうっすら見開くと、誰かの肩越しに材木が地面に横倒しになってるのが見えた
「…べっぴん平気か！？」
固い胸の感触が頬に当たる、声の主は長瀬棟梁だった、それが分かった途端にオレは状況を把握した
「長瀬棟梁は？大丈夫ですかっ！？」
起き上がろうとカラダを動かした時、アタマの中のある一点に、かつて無いほどの焼け付くような痛みが走った、
なん…っコレっ、
余りの激痛にワケが分からなくなり、オレは痛みから逃れようと這いつくばるように頭を抱え、その場に蹲った
「…っアっっ！…ってぇ…」
「べっぴん！？、おいどした！？アタマ打ったのか、べっぴんっ！！」
遠くで…声がした
肩や腕に触れる手…その感覚すらアタマの中を響かせる痛みの引き金になる
「触る、な…っ、…つ、…あッッ…！！」
「北山っ！北山っッ！」
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GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» 続き覗いてくださればと思います！泣かせてゴメンなさい！コメ大感謝ですー！ (2018年6月14日 23時) (
レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» こんばんは！コメありがとうございます！再読ありがとうございます、少しずつですが過去エピを入れております、あのシーンかぁと思っていただければ嬉しいです！ザワザワ展開ホントにゴメンなさいー泣泣、二人の絆を感じて下さるようにup頑張りますので、宜しければ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、何度も失礼します…またもやシリーズ初回から読み返していました泣 これ以上の試練…もし限られた時間なら24時間付いて居たいのに…嫁の事は自分の事より大切で心配で仕方ないのに、気持ちを隠して安心を与えようと振る舞う太輔旦那に涙です(TT) (2018年6月14日 16時) (レス) id: 5a95b02aa0 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おります、覚えておられたら懐かしく思って頂けるのではないかと思います、なかなかのシリアス編となりそうですが、ラストは《藤北ぁぁぁ！ 》で終われたらいいなぁと考えております、宜しければ続き覗いてくださればと思います！コメ大感謝です！ (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます！コメありがとうございます！はい、おそらく殆どの読み手様の予想がドンピシャだったのではないかと思いますｗここからかなりの辛展開となります、申し訳ございませんー！今回は《記憶》がキーワードなので、過去エピ遡りながらupしようかなと思って (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2018年5月20日 20時
