LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … ２３ ページ25

何だ……なんか、遠くで…音が聞こえる…
何だっけこの…音……音……、この音っ！！？

うわぉ、目覚ましッッ！


飛び起きて手を伸ばすけど、いつもの位置に無い！え、マジ？ドコ？

クリアにならないアタマをブンブン振って、オレは鳴り続ける目覚まし音の行方を探した


そして…

あ…ココ…
見慣れない部屋に、昨日のコトを思い出した
そして下半身に残る違和感が、今はいないその人を思い出させる


ようやくその音の行方を探し当てた

ソファの上に丁寧に畳んで置かれたスーツの中からその音がしてる

止めようとベッドから降りた時、繋がった場所から流れ落ちる残雫にカラダが反応した


とりあえずポケットの中にあったケータイを取り出し操作して音を止め、オレはそのままバスルームに向かった


起きるのはいつもの時間
こんな風に愛された後の処理の仕方も、いつも通りだ…


でも場所だけが、いつもと違う…


｢何やってんだろ…オレ…｣

バスローブを羽織り、そのまま窓際に向い薄暗い部屋のカーテンを開けると、それほどキツくない朝の光が入ってきた

振り返った部屋にいるのはオレだけ…

ソファに座り、立てた膝にアタマを乗せる、重だるいカラダとスーツに残された香水の香りを
感じながらケータイをチェックした

LINE…タマだ
《お疲れ様です》
《今日は本当にありがとうございました》
《ミツ、ちゃんと帰れた？》
《明日も宜しくお願いします》

可愛いスタンプが付けられた文字が並ぶ

《おはよ、ゴメンな》
《今見たわ》
《遅刻すんなよ》
それだけ返した

もう一つはメール…トモ…
時間は深夜の３時…アイツこの時間に帰ったのか…

まあ、泊まりは出来ないよな…

『宏光、先に帰る
備え付けの冷蔵庫開けてみて
また連絡する
無茶させて悪かった…』

数行の言葉…ケータイは桜来さんが見てる様だから、多くは書けないんだろうなと思った

冷蔵庫…？
開けて見ると、昨日帰り際にトモが女将から渡された紙袋が入っていた

｢ん、なんだ？昨日の葛餅じゃん…｣

中には持ち帰り用に包まれた抹茶の葛餅が入っていた
なんでこんなもの？

あ、そう言えばコレ食べた時…

｢ミツ珍しいね、甘いの苦手なのに｣
｢コレあんま甘くなくて美味いな、好きな味だ｣

そか…タマとの会話、聞いてたんだ

トモのさり気ない気遣いが、オレは嬉しかった


けど、こんな風にされたら離れられなくなる…

あのプラチナリングは、絶対にトモがオレだけのトモにならないコトを示していた

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