One Kiss！！…２

チャラくNIGHT？…９１ ページ43

そんなの、余計に放っておけるワケねぇだろっ！

｢ネグラは？《BASARA》の溜り場はどこなんだよ、オマエ知ってんだろ？｣

そう聞くと、タクマは押し黙ってしまった

｢タクマ！｣
｢知ってたとしても、オマエには教えねぇ｣
｢なんでっ！？｣

返された言葉にオレは思わず声を上げた
オレの反応に、TELの向こうのタクマが小さく息を吐く音が耳に入ってきた


｢…言えばオマエ、そこに乗り込む気だろ？そんなの、死にに行くようなもんだ、大事な友達をそんな目に合わせるわけにいかねぇんだよ｣

落ち着いたタクマの声…感情を抑えたその言い方が、タクマの決意の固さを伝えてきた

｢タクマ…｣
｢ユウキは自業自得だ！なるべくしてああなったんだ、悪いがオレはアイツに同情は出来ない、これ以上ユウキには関わるな、…切るぞ｣

｢ちょ、タクマッ！？待てって！！｣

そして聞こえてくる不通音…
何度かリダイヤルしても、もうタクマがTELに出ることは無かった

他のヤツにもTELしたけど、タクマから何か連絡行ってんのかって言うくらい、全員がオレを引き止めて来た…


どうしたらいい…

《行ったら死ぬぞ…》
《大事な友達をそんな目に…》

タクマの気持ちはホントに嬉しかった

自暴自棄な想いを抱えこの街に来たオレ…最初に仲良くなったのがタクマだった

肩がぶつかったとかで因縁つけてきた相手にイキがってケンカ吹っ掛けて、多勢に無勢でボコられたオレを助けてくれたのがタクマだった

口数多いヤツじゃないけど、タクマは持って生まれた素質というか、スゲェ男気があって誠実だから周りから一目置かれるヤツだった

オレが《北山》の人間だと知っても、何一つ態度が変わることは無かった、ソレは誰に対しても同じ、ましてや金の無心などタクマには考えも及ばないコトだ、だからこそユウキのコトが許せないんだろうと思う

けど、やっぱりオレはユウキをこのままにしておけない、アイツだってもう分かったはずだ、金より大事なモノがある、そして金では買えないモノがこの世界にはあるということ


まだ間に合う…やり直すことは絶対にできる



確かユウキは《BASARA》にウリをするヤツを探してこいと言われていた

《BASARA》のネグラを探すなら、もうコレしかない


イチかバチか……やるしかねぇよな…


ユウキ…、行くから待ってろ
必ず助けてやるから…

だから、オレが行くまでムチャすんじゃねぇぞ



オレはそのまま電車に乗り、目星を付けたその街に向かった

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