One Kiss！！…２

チャラくNIGHT？…８７ ページ39

仲間達はその日の相手を見つけ次々と《INTER》から出ていった…

｢…オレも帰ろうかな…｣

KENーKINGとジョッシー松村は、仲良さそうにフロアの奥で話をしていた

｢渋みつ、帰んの？｣
出掛けに店長が声を掛けてきた

｢おん、楽しかったわ、店長また来るから｣
｢おう、気をつけて帰れよ｣
｢うん、サンキュ｣

外に出ると、見上げた先にはいつもの空がある…

星も月も見えない空…
人いきれと、ムッとする熱気を感じる空気…

夏休みに入ったからだろう、学生らしい姿も多い

こんな時間までいるんだ…って、でもオレもいたよな…あの頃はここにいる自分が一番自分らしいと思っていた…浅い繋がりだろうとなんだろうと誰かと繋がってることが《生きてる》という証だった


バカだよな…


駅に歩き出した時、人目に付きにくい路地裏に数人がいるのが見えた


1人を数人が取り囲んでる

なんだ…因縁つけられてんのか？
ココではよくある風景だ

ケーサツ呼んだ方がいいか…

腹に蹴りを喰らい、膝を付いたカタチで倒れた男を振り返ることもなくソイツらは離れていった

苦しそうに息をする男が、視線を感じたのかコッチを見た


｢ユウキ…｣
｢…ッ｣

オレを見るや立ち上がりそこから離れようとするけど、相当ダメージ食らってるみたいでまた膝を付いた

｢おい、大丈夫かよ｣
傍に行くと顔も殴られたのか唇の端に血が滲んでいた

｢触んなって…なんでテメエいんだよ、信じらんねぇ…｣
｢知るかよ、オマエこそ…何なんだよさっきのヤツらは？｣
｢何でもねぇよ…ほっとけよ｣
｢…アイツらか、今つるんでるヤツ…アイツら相当ヤバい奴らだって聞いてるぞ、一緒にいたらオマエまで巻き込まれっぞ！｣
｢るっせえよ、説教すんな！｣
｢説教じゃねえよ！事実だろ！｣

こんなトコで話することでもねぇか…

｢一先ず立て！付いてこい｣

中々立てないユウキの手を持ち、引き上げるとそのままマンションに連れていった

幸いエントランスとエレベーターでは誰にも会わなくて部屋に連れていくことが出来た

こんなトコ見られたら、また兄貴に迷惑掛けちまう…

｢ほら入れって…｣

リビングに入れてやると、悔しそうな顔してオレを見てきた

照明の下…顔のキズは大したこと無さそうだが、脱がせた服の下は、思わず目を逸らすほどキズだらけだった


｢オマエ…アイツらと何があったんだ、こんな傷つけられて…仲間なんかじゃねぇだろ、脅されてんじゃねぇのか？…ユウキっ！ホントのコト言え！｣

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