チャラくNIGHT？…５１ ページ3
｢なんで知ってんの？｣
そう聞くと、藤ヶ谷太輔は少しだけ目を伏せ、再びオレに視線を向けた
｢…住職に西園寺さんから事前に連絡入っていたコト伺っています、いつです？｣
って、特に何でもないことみたいに聞いてくる
そりゃそうなんだけど…
｢明後日…｣
｢明後日ですね、分かりました…その日は一日お休みを取ってくださって結構です、住職には私から伝えておきますので…｣
そしてそのままオレの横を通り過ぎようとする…その手を咄嗟に掴んでしまったコトに、オレは自分で仰天した
｢北山さん…？｣
オレに掴まれた手を、藤ヶ谷太輔が訝しげに見ている、コイツ振り解けばいいのにそのままだし…オレも離せばいいんだけど、オレより背が高いクセに手首細いんだな…とか、どーでもいいコトを思ってしまって、そのままになった
｢なんです？｣
｢え…や、…オレ、休み取っていいの？｣
｢いいんじゃないですか、アナタは元々僧侶ではありません、ココにはただの行儀見習いで来られてるんですから｣
なんか《オマエは部外者》みたいに言われて、ムッとした
｢でもオマエ、こないだ不機嫌だった｣
｢不機嫌？｣
｢薫乃のコト話した時、怒ってたじゃん｣
ハッと藤ヶ谷太輔の目が、見開かれる
｢…怒ってなんか、無いです｣
｢ウソだ｣
｢ウソではありません、…それより手を離してくれませんか？｣
少しウンザリしたようにそう言うと、オレが離す前に手首を引き戻した
オレは行き場を無くした手を下に下ろし、キュッと拳を握った
横を向いた藤ヶ谷太輔の口許には、不機嫌を表す形が出来ていた
ほら怒ってんじゃんか…
気まずい沈黙がオレ達を取り囲む、その出口を先に見つけたのは藤ヶ谷太輔だった
｢西園寺さんは、わざわざ住職に了解まで求めて来られた、それだけ北山さんに会いたいと思っておられるんだと思います、寺のコトは気にせず会って差し上げてください｣
そしていつもの笑顔を見せると、藤ヶ谷太輔はオレに背を向けそのまま本堂に向かって歩いていった、
｢なんだよアイツ…、わけわかんねーし｣
呟いたオレの足元に、置いてきた《ヒロ》がいた、真っ黒な瞳がオレを見上げてる
｢なんだついてきたのか？ヒロ｣
｢ニャ…｣
小さなカラダを抱き上げて、アタマを目の高さまで持ってくると《なに、どしたの？》て風にオレを見た
｢なあヒロ、オマエの飼い主さ、ホント読めねぇよな｣
｢ミャン｣
その鳴き方が、なんか《だよねぇ》て言ってるみたいに聞こえた…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 469人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「北山宏光」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» お話は進んでおりますが、ハラハラ展開が少なくなってきたかもです、、宜しければ続き覗いて見て下さいませ！コメ大感謝です！ (2017年6月12日 11時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは！コメ返遅くなりましてゴメンなさい、ネタバレ注意と言うよりは、興奮しまくってあんま覚えてないのがホントの理由ですｗｗツアーDVD待ち遠しいですね！秋冬かなぁ、個人的には冬ドームとかしないのかなって思ってます、《スノド》の時みたいに！ (2017年6月12日 11時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんばんは。広島参戦したんですね。ネタバレ注意って事で参戦出来ない私はツアーのDVD待ちになるのかな？お話の続きも楽しみにしてます。(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: e94527389c (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 藤北かじゅさん» こんばんは！コメありがとうございます！はい、多分大丈夫じゃないと思いますｗｗやー、どうしましょうね…でも行かずにいられないのが《渋みつ》なのです！ココは運命を信じます！宜しければ続き覗いて下さればと思います！コメ大感謝です！ (2017年6月4日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
藤北かじゅ(プロフ) - お久しぶりです。あの渋みつちゃん、事務所行って大丈夫？すっごく気になって思わずコメントしちゃいました。更新楽しみにしています。 (2017年6月4日 21時) (レス) id: bcd1835547 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年5月4日 12時
