RHAPSODY:4 ページ18
「…だと思いました…」
ホッ…と小さなため息が聞こえ、オレは俯いていた顔を少しだけ上げた
ソコには、いつもには無い、疲れた表情をした雅喜さんがいた
「菜月…アナタに何か言ったんですね…申し訳ない…僕の伝え方が悪かったんです、菜月に何か酷いことを言われたんじゃないですか?」
オレの中に、その何かを読み取ろうとする様に、雅喜さんは深い眼差しでオレの目を見つめてきた
想いの全てを曝け出してしまいそうな程のキレイな瞳…動揺を悟られまいと、オレは雅喜さんの視線から目を逸らし、俯き加減に顔を背けた
「…息が出来ない、と言っていました、…雅喜さんが傍にいなければ苦しいって、泣いていました」
「そう、ですか…」
視界に入るのは、膝の上でギュッと握りしめた雅喜さんの手…どこにも持って行き場のない感情が、その手の中にあるように思えた…
「…戻ることは出来ませんか?」
「ソレは無理です」
キッパリと、雅喜さんは言い切った
オレの胸に落胆の想いが湧く
「…菜月には、傷付けた代償に値する出来る限りの償いをするつもりです…ですが、僕が彼女の元に戻ることは二度とありません」
何が起きても覆ることは無い…、その答えと表情に雅喜さんの決意が現れていた
その表情と対照的に、佐倉さんの泣き腫らした哀しい顔がオレの胸に浮かんできた
「どうして…?佐倉さんはあんなにも雅喜さんを想ってるのに…」
「菜月がどんなに僕を想っていても、ソレは受け入れていい気持ちではないんです」
「でも…ッ」
何をどう言えば、雅喜さんの気持ちを変えることが出来るんだろう、食い下がる様に言葉を繋げたオレに、雅喜さんは寂しそうな笑みを浮かべ、口を開いた
「…ではアナタは?僕が今アナタを好きだと言ったら、アナタは僕を受け入れてくれるんですか?」
真っ直ぐにオレを見ながら、そう問い掛けてくる雅喜さんに、オレは何一つ返す言葉が無い…
口を開きかけて…この言葉では無いと躊躇い、ソレを飲み込み…また口を開く…
何度ソレを繰り返しても…結局一つの単語も出てこなかった
「…それでいいんです、僕も菜月に対しては同じです、何も言えない…だから待ちます、菜月が全てを許してくれるのを、そして許してくれた時、アナタに改めて僕の気持ちを伝えます…」
「オレは誰のことも好きにはなりません、太輔以外、惹かれる人はいない」
「…構いません、ですがアナタを好きだと思うのは僕の自由です…僕には、アナタしか見えない」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» と思っております!予定通り移行になりました!宜しければ続き覗いてみて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!いつもコメありがとうございます!はい、かなり無理やり感ありますが、戻しちゃいましたw、ユリ姉さんのネタバレからまた色々ハプニングが起こります、元カノがちょっと…でも主要人物は《みんないい子だよ!》がテッパンなので、なんとかなるのでは (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» ホントにゴメンなさい!ココから辻褄合わせのネタバレ展開になりますw、そしてそして元カノが何やら…宜しければ続き覗いてみて下さいね!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» こんにちは!こちらこそ初めまして!ウチの藤北ちゃん気に入って下さってホントに嬉しいです、ありがとうございます!はい、ちょっとアッサリ記憶戻しすぎたかなぁと思っていますが、こうでもしないと次の展開に行けないのでもしか《??》になられてたら (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんにちは。太輔君の記憶が戻りましたね。事故の真相や、菜月さんとの事等 解決しなければいけない事が多いので、大変だと思いますが ハピエになるために必要ですし、これからどうなっていくのか楽しみです。 (2017年3月11日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月25日 13時