You are my everything ー キミ色の日々

COLOR ４１ ページ44

「なんでもねーよ、ミツ、今日のカレーどうだ？」

その場の雰囲気を変えるように、渉が楽しそうにヒロに尋ねる…
「めっちゃ美味しい！オレ、横尾さんのカレーより美味しいの、知らないもん！」
「そっか？まあ、そりゃそうだろ、愛情めちゃめちゃ込めてますから！」
「えー、ミツにだけかよぉ！オレたちにもでしょ」
ブーたれるニカ＆ケント

「ハイハイ！モチロン、オレの愛は平等だからね！」

そっからはいつもの空気…だけどいつもにはない渉の、不自然な程に明るく楽しい雰囲気…

オレは、渉の顔をじっと見ていた、視線に気づいた渉…一瞬絡んだ視線を渉は気まずそうに逸らした

食事も終わり、オレと渉以外は一緒に風呂に入っていた…

キッチンで洗い物してる渉…

オレは、やっぱりアノコトが気になって尋ねてみた…

「…なあ、渉さ、トモにぃ…って知ってるよな？」
「…誰ソレ？…知らねーけど」

「オマエまでそんなコト言うのかよ、さっきニカがトモ…って言いかけたら、オマエやめさせたじゃねーか！」
「そうだっけな…わりぃ、覚えてねーわ」
「…なんで隠すんだよ…ソイツ…ヒロに関係してんだろ」

渉の顔に、驚きの色が浮かぶ……

「なんで……」

「この前、ここに泊まったとき、夜中にアイツ……すげぇ魘されてて……その時に言ってたんだ……トモにぃ、やめて、許してって…」

「ミツが…？」

「だけど、次の朝ソイツのコトの尋ねたら、そんなヤツ知らないって…魘されてたコトすら覚えてないみたいで、…どう考えてもヘンだろ？なあ教えてくれよ、トモにぃってヤツ、ヒロと何があったんだ？」


渉はオレを見ない……だけど、その表情に戸惑いと困惑がありありと見てとれる

「…ミツは知らないって言ったんだろ…なら、ソレでもういいだろ…」
「よくねーだろっ！あんなに怯えて…泣き叫んで……好きな人のあんな姿見せられて、放っておけるわけねーだろっ！」

オレは渉に食って掛かった
だけど、渉は…オレのコトを、少し口許をあげて、悲しそうに笑いながら見ていた

「……ホントにミツのコトが好きなら、今のミツだけを見てやってくれ…」

「渉…」

「オマエが今見てるミツだけが、ミツそのものだ……ソレ以外のミツはどこにもいない…頼むから、もうソレで納得してくれ…」

「…何があった…？」

「何もねーよ……何にもなかったんだ…太輔、ミツを頼むな……」




渉の哀しいカオ…それ以上オレは、何も聞くことが出来なかった…

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