COLOR 22 ページ25
「足…痛むか?」
ソファに座ったヒロの足、靴下脱がせて見たけど、そんなに腫れては無いようで…
「とりあえず冷やしとくか…」
とはいっても、ドコにナニがあるのかわかるはずもなく…
冷蔵庫から氷を出して、置いたあったナイロン袋に入れると、足にくっ付けた…
「わ、冷たいッ!」
「少し冷やしといたら大丈夫だと思う、ガマン!」
「んー」
しかめっ面して、冷たいのガマンしてるのも、なんか子どもみてぇだな…
そう、…たぶんまだ、ヒロの心は小さな子どものままなんだろう…ギターを弾いてるとき以外は…
疑うこともしないし…誰かを憎んだり、嫌悪したりも…
スッキリと片付けられたこの部屋に置いてある何枚もの写真…
ご両親とヒロ…か…、そのどれにも家族に愛された時間が感じられる…
オレにはまだ母さんがいるけど…ヒロには、誰もいないんだな…
ふと視線をヒロに戻すと、真っ直ぐに前を見て、何かを考えているようだった…
何を見てるんだろう…見えないその目には、今何が映ってるんだ…?
少し不安になって、オレはその身体を胸に引き込んだ
「どうしたの…」
「あ、ううん……太輔が教えてくれた《色》のカタチを考えてた…」
「…さっきのか?」
「うん…《赤》は誰かを大切で愛しいと思う色…キスの色なんだろ…」
そう言って、思い出すように…自分の人差し指を唇に当てた…無意識のその艶めいた仕草に、ドキンと胸が鳴る…
「…青は…何なのかな…って」
そう言って、やっぱり真っ直ぐにオレを見つめる…魅いられそうなその視線に、オレは慌てて目を逸らした…その気配を感じ取ったのか、不思議そうな表情を浮かべた…
「太輔?」
「あ、そだな…青な…」
なんて答えよう……青…
「…そうだな…コレかな、…青は…」
オレは足に当てていたビニールから二つほど氷出して、ヒロの手に乗せた…
「…コレが、青色のカタチ…感覚…かな」
「青色の感覚…」
「冷たくて…ずっとは手に置いとけない…なんだろ…掴めない感じ?……うーん、難しいな…」
「難しいね……見えるって、いいな…」
「ヒロ…」
「見えるって…ステキだな……光の中ってどういう感じなんだろ……わかんない…」
耐えきれなくなったように、ヒロの目から涙が溢れ出した…
…言葉が見つからない…
ただ泣きじゃくるヒロを抱きしめ、零れる涙を指で拭ってやることしかできなかった…
オレから伝えられるコト…
「ヒロ…オレには、オマエこそが…光そのものに見えるよ…」
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GAYASAKURA(プロフ) - せりさん» おはようございます!コメありがとうございます!太輔ポイですか?あーよかったぁぁ!初でぇとは甘めにしときましたww書いててゾワゾワしてますwwトモにぃ…間もなくどんなヤツかわかるかな…宜しければ続き覗いて見て下さいねー!いつもコメ感謝です! (2016年2月21日 8時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - たいちゃんらぶさん» おはようございます!コメありがとうございます!トモにぃ…ソレなりダークにしたいんですけどww表現力無い書き手なので、上手く伝わるか、ちと心配…今日のUPでどんなヤツか出てくるかな?ww宜しければ続き覗いて見て下さい!いつもコメ感謝でーす! (2016年2月21日 8時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 好きな人にキスしてもらえるって、たいぴー、うれしいだろうな〜♪続き、待ってます (2016年2月20日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - GAYASAKURAさん» たいぴーのかこ、たいぴー感が出てます。自分だけじゃなくて周りの人のこともかんがえずにはいられないたいぴーだからこそいろんなことに悩んでしまっている状況なのかなと思います。みんなが隠してるトモにぃとはなんなのか、続き、待ってます。 (2016年2月20日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - うぅっ‥バイクレーサーとしての太ちゃんの過去‥辛いです‥トモが来たことによってどうなるのか‥気になります‥そしてみっくんにとってのトモにぃ‥皆揃って口を閉ざして‥渉サンは教えてくれるかもって思ったんですけどソレだけ重い過去なんですね‥続き待ちます!! (2016年2月20日 17時) (レス) id: c5bfccd947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年2月13日 9時