君想う夢・君恋し花 …６

愛を彷徨う人 … ４３ ページ12

「え、トモ…なんで！？」

驚いて尋ねると、ポン…と大きな手が頭に乗っかった

「四宮に聞きたいこと、あったんだろ？ならちゃんと解決してから帰れ、モヤモヤ抱えたままだと藤ヶ谷が心配するぞ」

微笑みながらクシャ…と優しくオレの髪を撫で、クルマを発信させた

最初の角を曲がると、気落ちしてさっき出てきたばかりの四宮先生の病院が見えてきた

病院のパーキングに停めて、トモと一緒に玄関を入ると四宮先生が出てきてくれた

「あの…すいません、また来ちゃいました…」
バツが悪くて語尾のトーンが落ちていく
でも、四宮先生はフフ…と笑って「どうぞ」と促してくれた

「四宮、宏光頼む、オレは待合にいるから」
「わかった、…北山さんどうぞ、さっきは気付かなくて申し訳ない」
「いえそんな、オレが言えなかったので四宮先生が謝られる事じゃないです」
「とりあえずもう一度診察室にどうぞ」

ホントにいいのかな…とトモを振り返ると「行っておいで、終わるまで待ってるから」と掌を向けた

診察室に入ると、四宮先生は看護師さんに何やら伝え、オレと2人だけになった

「…どうぞ、何でもお話伺いますよ」

向かい合って座り、四宮先生が促す様に微笑んだ

「ありがとうございます」

そしてオレは聞きたかった４つのコトを尋ねた
四宮先生は終始真摯な表情を崩さず、そしてオレが話終わるまで一言を口を挟むことなく聞いてくれた

燻っていた想いを聞いてもらえて、モヤモヤとした不透明な想いが、少しだけ晴れた気がした

四宮先生はカルテを見ながら

「…そうですね、エコーで見る限り子宮の治りに問題は無いようなので、パートナーの方との行為に、医師として反対する理由はありません」

と言ってくれた

「そうなんですか？」

「ええ、まあ…無理のない範囲で、と言うのを付け加えさせて頂きますが…、そしてHEATについては、いつ…と言うのを明言することは難しいと思います、通常であれば２〜３ヶ月に一度、期間は一週間というのが定説ですが、生理的なものですし個人差はあると思います、無理にでも起こして欲しいというなら、そういったホルモン剤もありますが、かなりキツい副作用もあるのでお勧めしません、出来れば自然にHEATを迎えるのを待っていただきたい」

「はい…」

「パートナーの方と、番になりたいんですね」

静かな眼差しをオレに向けて、聞いてくる四宮先生、オレは太輔の顔を思い浮かべながら、頷いた


「初めて…そう思う人に出会えました」

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