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『ねえ美怜、貴女は何を隠してきたの？』
「ぇ…ぁ…、」
だんだん理性を取り戻してきたのか、美怜は私の問いに対し視線を空中に彷徨わせた。
「お姉ちゃん、」
『ん？』
「…へぇ？」
『…え？』
戸惑いの声を上げた私の前で、突然美怜が勢いよく顔を上げた。その表情は、ニタリと不気味な笑みを浮かべていた。
「ふふ、いい反応をありがとね〜？」
『…は？』
「え、逆にこれが演技だって分からなかったの？」
『……』
「あっははは！」
思考が追いつかず黙り込んだ私を見て、甲高い笑い声を上げた美怜。完全に、いつもの美怜だった。
「何で私がこんな仕事してるのかって？そりゃ、私がやりたいからだよぉ？」
『…どういう、こと？』
「お姉ちゃんバカなの？そのまんまだよ、私がやりたいからやってるの〜！」
冷たい目で私を眺め、だが口元は嗤っている。
さっきまでの表情とは打って変わっていて、頭が理解に追いつけない。
「私のカラダを見て何処かの変態さんがコーフンする。それって気持ちイイよぉ？」
『…っ』
「それと、私が何を隠してるのかって？そんなの簡単じゃん！」
美怜の唇が、綺麗な三日月の弧を描いた。
「こーゆー今みたいな性格、かなぁ？笑」
言葉を失った。
最初から、美怜の手の上で踊らされていたのだ。今思うと、たしかに美怜が突然私の前であんなに態度が一変するわけない。
「まぁでも、」
嘲笑うような冷たい瞳が私を捉え、動けなくなった。
「いい反応してくれたし、まぁいっか！」
あまりの言葉に、沸々と奥から怒りが湧き上がってくる。キッと美怜を睨みつけようと顔を上げた私は、ふと、目の前に美怜の気配がないことに気がついた。
「あはっ、ここだよ〜？」
頭上から声が聞こえ、私は視線を上側に向ける。案の定、屋上の手摺りにもたれ掛かるように、美怜が座っていた。
『…何、してるの？』
ヒヤリと嫌な予感が、脳を掠める。
「えぇ？何してるのかって？
…＿＿＿＿＿罪滅ぼし、かなぁ？」
次の瞬間、
青い青い大空に、
紅い白鳥が踊り飛んだ。
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『待ってッッ！！！！！』
自分の指は、
虚しく目の前の空を掴んだ。
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ハクト(プロフ) - 奏斗さん» コメントありがとう！覚えてるよ、久しぶりだね！奏斗の作品こそ文の表現が綺麗で、とても勉強になります笑 毎日更新していく予定だから、良ければまた読みにきてね！(*^^*) (2020年7月2日 22時) (
レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 展開が読めないところが面白い！惹かれた！更新頑張って！(思わずタメで話しちゃったけど、覚えてないよね、ごめんなさい) (2020年7月2日 22時) (レス) id: 2650d5f3fb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - 絵が上手くなりたいさん» 完全に打ち間違えでした、ご指摘ありがとうございます！ (2020年7月2日 18時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - 消防車？救急車じゃなくて？(きつく聞こえてたらすみません)夢主ちゃんいい性格してる (2020年7月2日 18時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！読者の皆様に楽しんで頂けるよう、今後も精進してまいりますので、楽しんで頂けたら本望です(*^^*) (2020年7月2日 12時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハクト | 作成日時：2020年7月1日 22時
