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センラさんに連れられて着いた場所は、【浦島坂田船様】と書かれたプレートのある楽屋のドアの前。中からは既にメンバーと思われる数人の話し声が聞こえてきた。
「開けるで？」
『はい、』
ぎこちなく頷いた私を見やり、センラさんはそのまま勢いよく楽屋のドアを開けた。
途端に聞こえてくる、渉と坂田さんと思われる二人の戯れ合う声。
「あ、センラ！…とAさん？」
「…は？A？」
坂田さんの大きな声と、渉の驚いたような低い声。そんな二人を目にも止めずにスタスタと中に入っていくセンラさん。
「Aさん、さっきはごめんな？挨拶もせずに…」
『あ、いえ、全然大丈夫です！坂田さんこそ撮影間に合いましたか？』
「お陰様でギリギリセーフやったで！」
無邪気に笑う坂田さんに幾分心が軽くなったような気がして、ふと後ろから強い視線を感じた。
『…渉、』
「悪いけど、俺監督に訊きたいことあるから一旦抜けるわ」
私が口を開いたと同時に、遮るようにその場を立ち上がった渉。坂田さんとセンラさんも気まずそうに少し顔を見合わせてから、口を開く。
「分かった」
「まーしぃにも伝えとくで」
「サンクス、頼んだわ」
そのまま楽屋を出て行った渉に、私はやるせない気持ちで目を伏せた。渉の本心が読めず、戸惑う。
もしかしたら本当に、渉は美怜に惹かれたのだろうか？別居も含め、私と少しずつ距離を取るつもりなのだろうか？
『(…けど、)』
美怜は、渉はもう用済みだと言っていた。
もし美怜も渉を本気で愛していたとならば、私は二人を応援出来たかもしれない。
けど、実際はそうじゃないんだ。美怜は、渉を玩具としか見ていない。
「うわ、めっちゃ静かやんけ。何かあった？
…って、A？」
背後から聞こえた、心地の良い低い声。
楽屋に足を踏み入れ、私に視線を向けるなり驚いた声を上げた志麻。
「どしたん、うらたさんに用事？」
『あ、違くて、』
「あれ、じゃあ坂田？」
呆気ない程に普段通りに振る舞う志麻。
彼の首から汗が伝っていて、さっきまで練習していたのだと伺えた。
「そ、そうなんよ！」
空気を察したのか、慌てて坂田さんが口を挟む。センラさんも苦笑いを浮かべながら、私たちを眺めていた。
「けど用もそろそろ済んだみたいやし、俺見送ってくる！」
「あ、ちょっ坂田！」
がしっと腕を掴まれたかと思うと、私は坂田さんに連れられて楽屋から出て行った。
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ハクト(プロフ) - 奏斗さん» コメントありがとう！覚えてるよ、久しぶりだね！奏斗の作品こそ文の表現が綺麗で、とても勉強になります笑 毎日更新していく予定だから、良ければまた読みにきてね！(*^^*) (2020年7月2日 22時) (
レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 展開が読めないところが面白い！惹かれた！更新頑張って！(思わずタメで話しちゃったけど、覚えてないよね、ごめんなさい) (2020年7月2日 22時) (レス) id: 2650d5f3fb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - 絵が上手くなりたいさん» 完全に打ち間違えでした、ご指摘ありがとうございます！ (2020年7月2日 18時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - 消防車？救急車じゃなくて？(きつく聞こえてたらすみません)夢主ちゃんいい性格してる (2020年7月2日 18時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！読者の皆様に楽しんで頂けるよう、今後も精進してまいりますので、楽しんで頂けたら本望です(*^^*) (2020年7月2日 12時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハクト | 作成日時：2020年7月1日 22時
