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じゃあ、俺は顔見れたし帰るわまたね。と颯爽と去っていったセンラ、さん。最初から最後まで意味が分からない変な人だったな…。
「…何かごめんな。」
「いや、いいけど…。」
”また”なんて言われたけど、そんな機会訪れるのかな…。まあいいか。名前も顔も覚えたし、知人くらいの位置にしておこう。
「で、今日はご飯だっけ?」
「おん。」
珍しく予約したから、なんて言われて連れてこられたのは個室の居酒屋。
料理を頼んで、お酒も頼んで、頼んだ料理がほぼ出揃ったからいつも通り乾杯しようとグラスを持てば志麻に止められた。
「…何、」
「酒の前に、この前の話聞かせろや。」
…来るかとは思ってたけどやっぱりか。仕方なしに、グラスを置いて正面に座る志麻の顔を見つめる。
「…坂田くんから、聞いたんじゃないの。」
「男に声かけられとったとこ助けたってことしか聞いとらん。」
…最低限のことしか、言ってないのか。全部あったこと言ったのかと思ってたけど。まあ、そもそも坂田くんも偶然その場に居合わせただけだもんね。
「…合コン誘われて行ったら、しつこい人がいて、二次会二人で行こうって言われて断ってたとこに坂田くんが来てくれた。終わり!」
面倒くさいから全部言い切った。お酒あるし、目の前にご飯もあるんだから食べたい。
「なんそれ、気に入らん。」
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