【銀魂】鬼と鬼神【土方十四郎】

八 ページ9

土方side

近藤「…………」




バケモンが総悟から離れた




総悟はバケモンを噛み殺さんとばかりの形相で睨みつけている




そんな中……




近藤「………プッ……ハハハハ！！！誰が鬼神だって？え、お前？ンなバカなことあるかよ！角ねーじゃん！！」





ええええぇぇぇ！？！？！？





え、信じねぇの！？





あの大怪我で立ってて、おまけに火の玉まで出してんのに！？





完璧に鬼の類だろ！





鬼じゃねぇとしても人間じゃねぇだろ！





？「…………」





ほら「何言ってんだ」みてぇな顔されてんぞ！




バカなのかよ！あ、バカか、ゴリラだし…





じゃねぇ！！！





あんた仮にも真撰組の局長だろ！？





？「…………これだから人間は愚か。鬼は常に角がはえているという固定概念だけで、私を鬼ではないと決めつけている。そんなのだから









半人前の私にさえ殺られる」





近藤「………へ？」




土方「！？」




近藤「あ、あのぉ……僕の首にかけられてるこの手は何でしょうか……」




バケモンがゴリr……ゴホン、近藤さんの首に手をかけた




かけただけで、別に絞めようとしているわけではなさそうだ







なさそうだが…………







いつでも絞め殺すくらいの威圧感と殺気が出ていた







？「何故人間ごときに我々鬼族が馬鹿にされる？何故人間ごときが我々鬼族を憎む？我々が何をした？」





だんだん、バケモンから出ているオーラが威圧感から怒りに変わっていく





？「……………何故我々鬼族を殺した」




「「「「！！！」」」」





どんな昔話でも、大概悪役は鬼だ






それはいつの時代でも変わらねぇし、それに疑問を抱く輩もいねぇ





もちろん俺だってそうだ




「鬼は悪いもの」




当たり前にそう思っていた




………鬼に会ったことがあるわけでもねぇのにな……




近藤「ｯガ……苦ｯ、しｯ」




土方「！近藤さん！」





近藤さんの呻き声で我に返ると、近藤さんの首にかけられた手に力が入っていた




土方「おいｯ！」




？「……」





バケモンも落ち着いたのか、静かに手を下ろした





近藤「ｹﾞﾎｯ、ｺﾞﾎｯ…あ”ぁ〜、じぬ”がとおぼった……」





倒れ込み、喚きもがく近藤さんと対照的に、俺のことを立ったまま黙って見ているバケモン





土方「…とにかく座れ。たとえ鬼神でも、その傷で立っとくのはキツいだろ。聞きてぇこともあるしな」





すると、バケモンは意外にも素直に座った




その姿は傷だらけにも関わらず、美しく楚楚とした雰囲気を纏っていた

九→←七

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