関西家族物語。2

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「うわぁ、懐かし！俺がつくったシーサー！」


上に放り込まれていたのは、子供たちが幼稚園でつくった工作でした。


「あぁ、動物園がコンセプトなのに、照史だけ犬とライオンのハーフをつくった、あのときのね。」


「さすが俺の子や！ええチョイスをしはりますなぁ！」


「あー、沖縄行きたい！オカン！冬休み行こうや！」


「いや無理でしょどう考えても。」


ただでさえ短い冬休み。こんなに散らかすだけ散らかして、遊べると思っているのでしょうか。


「え、それ犬じゃないん？俺、いかつい犬やと思っててんけど。」


最近、お兄ちゃんの真似をしてか、自分のことをオレなんて呼び出した次男のそんな言葉に、長男は


「あひゃひゃ、失礼な！どうみてもシーサーやないかこんなん！」


とつっこみます。


「俺ほんまに犬飼いたいねんなぁ、二匹。名前シーサーとゴーヤーにしたい。」


「大人になって、自分で責任もてるようになったらどうぞご自由に。」


「えー……あ、鳥でもええよ？名前焼き鳥にしたい！」


「いやかわいそうでしょ、ほら焼き鳥、ご飯だよ！っていわれて返事とかされたら、なんか聞いてて悲しくなるじゃん。」


「なんでや！かわいいやんけ！」


全く、誰に似たんだか。まぁ、考える余地もありません、旦那でしょうね。


「ねぇこれもう捨てていいよね？」


「ええんちゃう？もうちょっと壊れとるしな。」


「えぇ……捨てるんなんか寂しいなぁ……」


何故かすごくさみしがった旦那は、


「ほら照史！これ持ってそこ立ち！あ、ほら！のんちゃんも！」


「いやなんでや！」


「記録するからや！写真撮るで！」


「だからなんでや！そんな写真要らんやろ！」


「アホかいるわ！はい、こっちむいて！1、2、3……パーン！」


「なんやねんそれ！」


結局強引なオトンに子供たちが折れ、中学生と小学生がお菓子の空き箱やらリボンやらボタンやらを組み合わせてつくったなぞの動物たちを抱える写真がおさめられました。

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