関西家族物語。2

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「できた！おかん！これ、吊るしたい！」


「いいよー、笹にでも飾っておけば？」


「いやツリーやないねんから」


「いいじゃん別に。かわいいじゃん、笹にてるてる坊主。」


望が保育園からもらってきた笹に、三つのてるてる坊主が並びます。


「あ、望、願い事かいてるやん。そうや、今年短冊書いてへんやん。」


「俺、短冊書きたい！」


「のんちゃんも！」


「望はもう書いとるやんけ」


「もっかいかくの！」


「わかったわかった。」


崇裕が折り紙をチョキチョキ切ってくれます。


「のんちゃんピンクがええ！」


「俺、青〜。」


「え、俺紫切ってんねんけど。」


「ピンク！」
「青！」


「……じゃあ俺紫にしよ。」


……お兄ちゃん、完全に弟の尻にしかれてます。




「おとんー、おかんー、半分余ったから一緒に書こうや。」


「いや、ええわ。」


「いや！かくかく！おとんも書くから！」


「いやなんでお前が決めるねん」


「なんでも。」


せっかくなので、久しぶりに私たちも短冊を書きます。


「じゃあおかんピンクかな〜。おとんは青か紫どっちがええ？」


「……あ、間違えた。」


「いや流星、すの向きって、どうやって間違えるねん……。書き直しや。てことは、俺は紫やな。」


家族五人、テーブルを囲んで、みんなでお願い事を考えます。


「あれ、カタカナのタって、どうやって書くんやっけ。」


「嘘やろ？！お前、今小六やんな？！」


「しかも、名前タカヒロじゃん……なんでわからないのよ……」


そりゃ、テストの結果が残念なわけです……。


流星の宿題もやらせた方がいいのでしょうか。


先行きが不安で仕方ありません。


「七夕のばたと一緒やで。」


「え、ばた？どんなんやっけ？」


「夕方のゆう。」


五歳年下の弟に勉強を教えられる、小六……。


「崇裕、お前聞いとって恥ずかしくないんか……」


私はもちろん、おとんも頭を抱えています。


「つき出すっけ？」


「どこをやねん、つき出さんわ！」


「…ねぇ、りゅうがつっこんだよ。」


「雨やむどころか、雪降るかもしれんな。」


「ゆき！のんちゃん雪だるまつくる！」


「ごめん望、たぶん降らへんからそれは諦めて。」


まぁ、子供たちの先行きは不安ですが、面白い家族です。

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