関西家族物語。2

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4月。彼がいなくなって、息子との二人暮らしが始まりました。




息子は年中さんになり、初めてクラス替えなるものを経験したので、人見知りをしないか、猫を被りすぎて疲れはてないか不安でした。


でも、担任の先生が新卒の男の先生で、明るく楽しい雰囲気に息子もすぐ馴染んだらしく、人前で被るどでかい猫もすぐに捨て、毎日楽しそうです。


「今日な、照史先生がな！」


ちょうど父親がいなくなったタイミングで男の先生に甘えられて、バランスがとれたのかもしれません。




そして、家に帰ってきてからも、息子はビックリするほど良い子でした。


彼がいた頃は、イヤイヤ期を引きずったわがまま息子だったのですが、最近は、


「ごはんできたよ、遊ぶの終わりねー」
「わかった！」


「そろそろお風呂入り？」
「はあい」


すぐに言うことを聞いてくれる、とっても良い子になりました。


「おかんーほれっ！」
「え、何……うわっ！」
「あひゃひゃひゃ！」


「ちょっと！部屋ん中に虫持ってこんといてって何回もいってるやん！すぐ逃がしてきい！」


「えー、かわいいのにー」


相変わらず、いたずらは健在ですが。




こんないい子ちゃん生活も、どうせ三日坊主だろうなと思っていたのですが、思いの外長く続きました。


それどころか、一週間後には、


「おかんー今日のご飯なにー？」
「炒飯」
「ちゃーはん！俺もやるー！」
「なに？お手伝いするん？」
「おん！やる！でぃしざぱらぱらちゃーはん！ふぁいやーふぁいやー！！」


謎の歌を歌いながら料理を手伝ってくれたり、


「洗濯物畳むからそこ片付けて！」
「わかった！ほんで俺も洗濯物畳む！」
「ほんま？ありがとう」


いろんな手伝いまで嬉々としてやってくれるようになりました。

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