関西家族物語。

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アラームが寝室に響きました。


6時。起きる時間です。


「んぅ、おはよ、A……」


章大くんは、いつも、ふにゃりと笑って挨拶してくれます。


「おはよう……眠い……」


章大くんは二度寝してしまいますが、私は、なんとか布団から抜け出しました。




リビングにいくと、赤いリボンのかかった、筒のようなものがおいてありました。


リボンをほどくと、それは、小さなサンタからのプレゼントでした。


「おとん、おかんへ。いつもありがとう。照史サンタと智洋サンタより」


とのメッセージと共に、私たち家族が笑っている絵がかかれています。




「ちょっと、章大くん！」


私は、いつもならギリギリまで寝かせてあげる章大くんをたたき起こしました。


「はぁ、照史も大人になったなぁ……。」


嬉しさやら寂しさやら、いろんな気持ちが入り交じって、恥ずかしながら、朝から二人で泣きました。





「照史！とも！もう起きんと遅刻するよ！」


「おはよー、メリークリスマスー！」


今日は、章大くんも、一緒に起こしに……というか、反応を見に来ました。


いつもならうだうだするこの時間も、今日は寝坊助の智洋がすぐ起きてくれて、一瞬で終わりました。


「あー！プレゼントあるー！サンタさん来たー！」


「ほんまやなぁ！」


「おかん！開けてええ？！」


「ええけど、見るだけな？」


「わかった！！」


今年のプレゼントは、智洋は安定のゲーム。照史は暖かいコートという、大人チョイスでした。


「うわー、ちゃんと来た！」


智洋のテンションは最上級です。




「あ、二人とも、プレゼント、ありがとね？」



私も絵を見せると、二人は顔を見合わせて笑いました。


「ええやろー？これ、俺がかいてん！」


「めっちゃ上手！さすが俺の子！！」


章大君が親バカを発動させてるは面白かったのですが、


「うわ、やばい！もうこんな時間！とも、もう片付け！」


もう、いつも通りの朝が始まります。


智洋がトイレへ走っていくと、


「おとん、おかん、ありがとう。」


と、照史がこっそり伝えてくれました。


「照史も、絵、ありがとね？」


「だって、おとんもおかんもサンタ信じとるんやろ？信じとれば来るんやで。」


照れながらもかっこいいこと言っちゃって。


「A、俺泣いて良い？」


「ダメ！章大くんはすぐに仕事の準備してください！照史も、学校の準備！」


涙もろい章大くんのお陰で、私は泣かずにすみました。


END

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