関西家族物語。

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「というわけで、これから夫婦水入らずで晩酌やねん！お前らはさっさと寝ぇ！」


「えーーー！！俺も、ブドウジュースのみたいー！！」


この時間に近所迷惑やろ、というくらい、大きな照史の声が、リビングに響き渡ります。


「駄目や！おい淳太、こいつ連れてけ！」


それに負けないくらいの大声で叫ぶ夫に、


「イヤや、俺も、ブドウジュースのみたい！」


と、淳太も対抗します。……これは、ただ面白がっているだけですね。


「まぁええんちゃう？明日、土曜日やし。ブドウジュースあるし。」


「はぁあ？！」


「いやったぁー！！」


「うるっさい！」


男ども全員近所迷惑です。いちいち言うのは面倒なので、無視ですが。


「よっしゃ、呑むでー！淳太、チーズとってきて！」


「はいよー」


「照史、お菓子一個持ってきてええよ！」


「いやったぁ！」


「一個やで！」


子供たちが食物庫に消え、夫のじっとりした目が痛いです。


「……何」


「お前、今日覚悟しとけよ。」


「何がー？」


「永遠に生ASMRしたる」


「鬱陶しぃっ！」


「一発や終わらんからな」


「なまなましぃっ！」


「明日は腰……」


「おかんー！ポテチにしたー！」


照史、グッジョブ。こうなった夫は面倒くさいです。いや、そんなところも好きですけど。


「照史ー、箸とってー」


「はぁ？！なんっでなんっ！」


「あ、照史、おかんのも取ってー」


「はぁ？！ポテチは手で食べるもんやろ！！」


「その通りや照史！よう言うた！」


「俺は絶対とらんからな！」


本当に我が家はおもしろいまでに、父親似と母親似に分かれましたね。


でも、ここは譲れません。


「淳太ー、よろしくー」


「はいはいー」


「あぁっ！あかんってぇ！！」


「ええやん、照史は手で食べれば。ほい、お手拭き。」


「あぉもうっ！いらんしっ！ねぶるし！」


「いや使えや汚い。」


今日も今日とて、我が家は平和です。




〜おまけ〜
0時過ぎ、深夜ハイの人々


「なぁおとん、おかんとどこで出会ったん？」


「おぉ、聞きたいか？俺らは六本木で、綺麗なねーちゃんに会いに行ったときに出会ってん。」


「おい、語弊の生まれる言い方すんな、子供づてによその大人に伝わって、変な目で見られるのは私じゃ」




「いやー、やっぱおしゃれなもんだけやと呑んだ気せーへんな。磯丸行かな。」


「えー、俺も行ってみたいー。」


「お、淳太も今度行くか？」


「誰が行かせるかボケ」


END

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