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連絡がとれてから三日後に、彼は帰ってきました。
「おかえりなさい。」
「おう。」
いつもと変わらない彼の様子にホッとして、
「あ、おとん。おかえり。何日おるん。」
「おれて一週間、やな。」
「お、長いやん。釣りいこうや。」
「行けたらな。」
崇裕が通常運転であることに安心して。
でも、
「あ、智洋、ただいま。」
「……」
「おい、おとん帰ってきたんやぞ。挨拶しろや。」
「知らんわ、親不孝な親なんか。」
智洋はやっぱり反抗期で、さらに兄弟喧嘩も始まりそうで、なんだか頭が痛くなります。
彼は何も言わずに自分の部屋へ行き、それにたいしてさらに智洋がぶちギレて。
我が家は所謂カオス状態でした。
彼の部屋へいくと、
「……智洋、やっぱ怒っとるんか?」
と、私に聞いてきました。
いつも通りの声色でしたが、長年連れ添った私には、かなりへこんでいることがひしひしと伝わりました。
智洋の言い分をざっくり彼に伝えると、彼は難しい顔をしながらも、何も言わずに、ごそごそと荷ほどきを始めました。
「明日、四十九日だから。お義父さんに会いにいこうね。」
「おう。」
彼の返事を聞いて、私はドアをそっと閉めました。
リビングには、疲れた顔の崇裕と、まだ怒りが収まらない、という顔をした智洋が座っていました。
「明日は、家族みんなで挨拶しにいくからね。」
「っざけんな!また、どうせ、後ろ指刺されるんやろ!俺は行きたない!」
「おい、ええ加減にせえよお前!」
智洋の言い分も、崇裕の怒りもすごくわかります。
私も、正直、一部の親戚の人には会いたくないという気持ちもあります。
それでも。
「来てくれないと、おじいちゃん、悲しむと思うから。みんな揃って、会いに行こう。ね。」
明日が、お義父さんにちゃんとお別れができる、最後のチャンスだから。
家族揃った姿を見せて、安心してほしい。
智洋も、崇裕も、その気持ちは同じなんでしょう。二人とも、黙り込んで、静かに部屋へいってしまいました。
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カミツレ(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます!レコメン大好きなので笑これからも、知ってる人にはわかるネタを少しでも多く織り込めるようにがんばります笑 (2020年1月2日 11時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - 今日一気に読ませていただいたんですが、めっちゃ面白かったです!レコメンのネタがちょくちょくあって楽しかったです笑笑 (2020年1月2日 0時) (レス) id: f9b9251c57 (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - ゆうがさん» ありがとうございます!これからの方向性が決まったら続編作りますね(^^) (2019年12月2日 11時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうが(プロフ) - はじめまして。私は、この作品が本当に好きで、もう何回もリピートして読ませていただいています。続編もとても楽しみにしています。これからも頑張ってください!作品楽しみに待っています! (2019年12月2日 0時) (レス) id: aa407f4b4b (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - 百合さん» ありがとうございます!これからもよろしくおねがいします(^^) (2019年2月25日 8時) (レス) id: c2f175e3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カミツレ | 作成日時:2018年12月1日 23時