【H×H】図書館の魔女は愛を知りたい。【HUNTER × HUNTER】 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:583 hit

彼女は知っているページ7

6

ゆっくりと、長髪の彼女は後ろを向いた。

『ヒソカ、私に内緒で何処へ行っていたの。』

少しむくれた瞳がヒソカを睨みつける

彼女は生来、独占欲が強いのだ。

男が勝手に傍から居なくなれば、当然のように拗ねてしまう。

それでも気にしない時もあるが故に、彼女の機嫌という賭博を、彼らは毎回強いられる。

『ヒソカが受けるらしいハンター試験、私も受けます。一緒にいてくれるのなら、明日サボっても黙認してあげるわ。』

交渉のつもりだろう彼女の言葉は、もはや脅迫に近い。

明日はハンター試験であるし、何より彼女を今敵に回すのはヒソカにとって得策ではなかった。

それにそんなことよりも、男はハンター試験の受験や、明日についてサボるつもりだったことがバレている方が驚きだった。

彼女に伝わるはずないと思っていたから。

『その趣味の悪いメイクに、私が紅をさしてあげようか？』

さらに加えるなら、彼にとっては、彼女が不機嫌です。

と束縛の殺意を向けてくるこの状況が、愉快で愉快でしかたがなかった。

彼の変態的なマゾヒストが、顔を覗かせる。

それでも彼女は、そんなこと気づいてもいない様子でヒソカを睨みつける。

「いやぁ、ゴメンネ。キミは団長とお楽しみだったみたいだからさ♤ 」

『ウソつき。』

彼女は知っている。

ヒソカが嘘つきだということを。

彼は気まぐれだから、その思いのままに行動した結果こうなっていて、それすらも楽しんでいることを。

本当は、謝る気など全く持ってないのだと。