青天霹靂.2 ページ21
長く殿にお仕えし、幾千にも渡る戦を経験してきた。運命の導きなのか、摎と同じ力を宿した娘と出会った日を今でも覚えている。
その小さい頃から、殿と共に成長を見てきた。
幼くも可愛らしく素直で、優しい自慢の娘が、
いつの間にか、これ程までに
美しい女性に成長したとは…。
彼女が成長して、女盛りになることには
自分の年齢も年老いていく事が、少し残念だ。
だが、彼女が不本意だったとしても
自分にしか、
きっと出来ない彼女を守る方法がある。
騰 「A
…私と結婚しないか？」
A「・・・・・え？」
こんなシリアスな場面にも関わらず
普段と変わらない表情で…というか「お茶、取ってくれないか？」ぐらいのノリで、まさか騰から結婚の話をさせると思わず、度肝を抜かれる。
A「ちょ、ちょっと！騰さま！
こんな時に、また冗談言って…！」
騰 「冗談ではない。
もし、私とAが結婚すれば、
正式に私がこの家の当主になる。
…Aが戦に出る事は今後難しくなるが、
悪巧みや、力を利用しようとする輩から、
お前を生涯護ってやれる…」
いつもいつも冗談や、父の真似をして
笑わせてくれる騰さま。
父と喧嘩すると必ず彼の所に逃げていた。
息抜きもAの願いや、戦う理由も
小さい頃から、ずっと見守ってくれた人。
確かに長年、父上に尽くしてくれた彼と結婚すれば
この家も安泰だろうと、他人事のように思った。
騰さまのことは嫌いじゃない。
むしろ、好きな方だと思う。
…ただ、家の為に尽くしてくれる騰の一生を
自分の為に縛り付けるは嫌だった。
黙り込むAに、
騰がその大きな手で頭を撫でる。
騰 「…私が嫌であれば無理にとは言わん。
だが、他の者でもいい。
護ってくれる男を見つけて、結婚するんだ。
…それが、お前の身を守る事にも繋がる」
A「騰さまのこと、嫌いなわけないじゃない！
ただ、戦に出て夢とか、目標を持って
戦ってきたから
急に結婚のことについてなんて…考えられないの」
騰 「私もAのことが、大好きだ。
…今は難しいと思うが、少しずつでいい。
天国にいる録嗚未も安心させてやれ」
いつもの冗談に、心が少し軽くなる。
A「もうっ騰さまったら！
録嗚未はまだ死んでないよっ！」
きっと彼女の好きが、
自身の好きと違うと分かっていても
Aの笑顔の為なら…
この身に変えても守り続けていく。
そう改めて誓った。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
