青天霹靂 ページ20
明日に迫る論功行賞の前に、騰から呼び出しを受けたA。胡蝶隊の活躍に、普段山の民に屋敷を構える朱龍達も数日間宴に参加していた。
扉を叩き、騰の部屋に入る。
A「騰さま…？」
騰 「…Aか。そこに掛けてくれ」
A「…はい」
皆宴で喜び楽しそうなのに、彼の顔だけ暗い。
なにやら真剣なお話みたい…とAも背筋をしゃんと伸ばした。
騰 「いいか、心して聞け。
…単刀直入にいうと、お前の生みの親も祖母も、
中華最強と恐れられたA一族も
滅亡に追いやった人物に、お前の存在が露見した。
Aが生きていると分かった今、
相手がどんな手を使ってくるか分からない…」
A「ちょ、ちょっと待って！
私の家族を殺した人物って一体誰なのっ！？」
急展開すぎて、頭が追いつかない。
…私の家族を殺した人物を、
なぜ騰さまが知っているのか。
表情が変化しづらい騰に、
考えている事が読めない。
騰 「…丞相 呂不韋だ」
A「丞相っ？！なぜ、そんな人が…」
息を吸う事が出来ず、過呼吸になっていく。
丞相と言えば、この国の…王の次に偉い人物だ。
そんな人物がなぜ、一つの一族を根絶やしにまでするのかAには、理解できなかった。
騰 「…理由までは本人しか分からないが、事実だ。
殿は、お前の出生が露見し、再び狙われる事を恐れて、養女としてではなく娘として世間に発表した。
だが、李牧との歌姫の一件で
Aの存在が直接伝わってしまった」
A「…そんな……
私は、なんてことを…」
父がそうまでして自分を、守ってくれている事なんて知らなかった。騰様にもあれだけ気をつけろと言われたのに…。存在がばれたのは、完全に自分のせいだった。
騰 「…A一族の女は神を身に宿し、現界させる力を持っている事は、王や権力者であれば知っている。
その力を求めて、
敵国だけでなく味方の男達にまで狙われるのを
覚悟しなければならない」
A「元々、
戦に出た時にそれは覚悟の上です。
女の身を餌にしてでも、敵を討ち取ります」
騰 「だが、今回の敵は武力では戦えない。
…しかも、この国の丞相といえば
権力でこちらが叶う術もない」
元々味方の…しかも上の人間に狙われる時点で、
勝ち目がない。
悔しさに唇を噛む彼女を見て、
騰は決意したように息を吸って、吐き出した。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
